手賀沼湖岸堤防整備

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現状と経緯

手賀沼の北側に位置する我孫子市若松地区では地域の水害問題を継続的に取り組む機関として、「若松地区水害対策委員会」が設立され、千葉県や我孫子市をはじめとする関係機関と協働の立場にたって協議等を行い、地域の立地条件に即した水害対策の実現に向けて活動をされています。平成25年10月に発生した台風26号は、手賀沼湖岸堤を越流し、若松地区の住宅や道路に大きな浸水、冠水被害をもたらしました。

そこで、千葉県では、手賀沼湖岸堤防の整備を進めています。最近各地で発生している異常気象による大雨や集中豪雨による水害を目の当たりにすると防災面で速やかに堤防の整備を進めるべきと考えます。

課題

一方で、若松地区の一部の住民や我孫子市側の手賀沼に遊びに来た方々からは何年も工事フェンスで覆われており手賀沼湖畔の景観が見えないことや工事の長期化などでストレスを感じているなどいう意見も聞き及んでいます。圧密が終了し、堤防の安定性が確認できた後は、遊歩道の整備が予定されており、手賀沼湖畔の景観を見ながら散策できる遊歩道となれば、不特定多数の多くの人々が利用することとなると思います。堤防沿いの住宅では家の中が丸見えとなり、プライバシーが侵害されることを心配している住民もいらっしゃるので、最低限、住民のプライバシーは保護しながら、適切な堤防工事を進めることが重要です。

また、我孫子市の手賀沼公園から北柏ふるさと公園までの都市計画道路3・5・15号線については、千葉県が堤防として兼用することを前提に、堤防として必要な高さを確保して河川区域内に整備したものですが、兼用工作物としての手続がなされていないことから、堤防としての機能がないのではないかと危惧されます。

水野ゆうきの活動

2019年9月定例県議会一般質問

水野質問:堤防整備事業の現状と今後のスケジュールはどうなっているのか?

県土整備部長答弁:我孫子市若松地区の1.1キロメートル区間の湖岸堤防については、平成29年度末までに築堤の盛り土を実施。軟弱地盤での築堤のため、現在は沈下等の観測を行いつつ、盛り土が安定するのを待っているところ。盛り土が安定するまでに約3年間要すると推定しており、今後、盛り土が安定していることが確認できた区間から、順次、完成形の堤防へと整備を進める。

2019年9月定例会で一般質問する水野ゆうき

水野質問:遊歩道の整備についてどのように考えているか?

県土整備部長答弁:手賀沼湖岸の堤防整備に際し、管理用通路を堤防天端に整備することとしている。この堤防は住宅の2階に相当する高さとなることから、管理用通路を遊歩道として活用した場合、堤防沿いの住民に対するプライバシー保護が課題となる。このため、管理用通路とは別に、堤防の沼側の低い位置に遊歩道を整備することとし、具体の位置や構造について我孫子市と調整を進める。

水野質問:県は定期的に住民説明会等で説明はされている。

今年度末に3年が経過する区間があるときいているが、その工区は早期に堤防整備に取り組んでいくべきと思うがどうか。

また、遊歩道の整備にあたっては、我孫子市との調整を進めているとのことだが、若松地区の住民の方々に対しても配慮が必要。住民に対して十分な説明を行うべきと考えるがどうか。

県土整備部長答弁:今年度末に3年が経過する区間については、沈下等の観測を行い、盛り土が安定したことを確認出来次第、堤防整備を進めていく。また、工事の実施にあたっては、今後も遊歩道や堤防整備の進め方などについて住民への丁寧な説明に努める。

水野要望:手賀沼湖岸堤防については、工事が長期化している。是非、安定性を確保した上で、できるところから着手をしていただいて防災面での安全と手賀沼の美しい景観の両面の実現に向けて取り組んでいただきたい。

2021年6月定例県議会代表質問 

2021年6月定例県議会代表質問に登壇する水野友貴

水野質問:手賀沼湖岸堤防についてお伺いします。平成25年10月に発生しました台風26号の大雨により手賀沼の水位が上昇し、手賀沼湖岸堤を越流し、我孫子市若松地区の住宅や道路に浸水被害をもたらしました。この被害を受け、県では我孫子市若松地区において堤防の整備を進めているところです。

また、北柏ふるさと公園から手賀沼公園までの区間については、手賀沼に並行して都市計画道路があるものの堤防としては位置づけておらず、堤防の考え方については市と県で認識にずれが生じています。

そのために、県は現在高さ以外の堤防に必要な機能が不足していないかを確認するための調査を行っているとのことです。堤防機能が確保できているのかを調査し結果を出すということは、手賀沼の治水における我孫子市の住民の安心と安全を確保していくことにつながると考えております。

そこで、県の認識を伺います。手賀沼湖岸堤防のうち、手賀沼公園から北柏ふるさと公園の区間の整備について、県はどのように考えているのでしょうか。また、その堤防の調査を実施しているとのことですが、状況はどうでしょうか。

穴澤副知事答弁:手賀沼沿いの堤防についての御質問ですが、北柏ふるさと公園から手賀沼公園までの約2キロメートルの区間については、我孫子市が管理する都市計画道路3・5・15号根戸新田布佐下線が整備されています。この道路は、堤防として兼用することを前提に河川区域内に県が整備したものであり、現在、堤防に必要な機能が不足していないか確認するため調査を行っているところです。今後、調査の結果を踏まえ、我孫子市と協議を進めたいと考えております。

水野要望:手賀沼湖岸堤防について要望させていただきます。御答弁では、具体的にどのような調査を行って、いつまでに調査が完了するのか、スケジュール等なかなかお示しいただけなかったわけですけれども、千葉県は都市計画道路3・5・15号線は道路と堤防が効用を兼ねる兼用工作物という認識だと受け取りました。その認識であると、法的な手続上に問題があると言わざるを得ません。河川法第17条2項に基づいて兼用工作物であるということを公示しなくてはならないということになっておりますが、公示されていません。

ということは、法的担保がない状態になっております。堤防の機能はあるとしても、河川管理者、つまり千葉県が堤防としての維持管理をしていないために管理者としての責任がなく、堤防として機能する担保がないということは、私は問題であると思っております。

また、この区間の適正な湖岸堤防の整備につきましては、千葉県と我孫子市の認識が一致していない状況がありますので、副知事から我孫子市と協議をするというような御答弁もありましたけれども、ぜひとも機会を得て、知事も含めてコミュニケーションを県と市で図っていただきたいと思います。

2022年6月定例県議会代表質問

水野質問:県が管理する手賀沼は、利根川水系手賀沼、印旛沼、根木名川圏域河川整備計画では、50年確率降雨に対応した整備を進めることとなっています。平成25年の台風26号では、手賀沼、手賀川の水位が急上昇し、我孫子市では主に布佐地区と若松地区において、床上浸水96件、床下浸水295件、店舗内浸水21件が発生するなど、過去にない浸水被害となりました。当時、若松地区では湖岸堤防の整備中だったこともあり、手賀沼の水が堤防を越水し、住宅地内に流れ込み、浸水被害が発生しました。このような甚大な被害を起こさないために、手賀沼の堤防整備を着実に進める必要があると考えます。

2022年6月定例県議会の代表質問に登壇する水野友貴

我孫子市の手賀沼公園から北柏ふるさと公園までの都市計画道路3・5・15号線については、千葉県が堤防として兼用することを前提に、堤防として必要な高さを確保して河川区域内に整備したものですが、令和2年度から行っている高さ以外の堤防の機能が不足していないかの調査で、土堤としての考え方について堤防の高さは舗装部分を除外した高さで整理する必要があり、土堤としては高さが不足しているとのことです。また、兼用工作物としての手続がなされていないことから、堤防としての機能がないのではないかと危惧されます。

当該区間について、利根川水系手賀沼、印旛沼、根木名川圏域河川整備計画に位置づけ、堤防の整備を進めるべきと考えるが、どうか。

穴澤副知事答弁:手賀沼の堤防についての御質問ですが、我孫子市が管理する手賀沼沿いの都市計画道路は、堤防として兼用することを前提に河川区域内に県が整備したもので、道路の両脇にコンクリート護岸を設置しています。この道路の堤防として必要な性能について調査したところ、車道部分では堤防としての高さが不足しており、コンクリート護岸部分では高さは確保されているものの、最大級の地震に対しては耐震性が不足していることが判明しました。

今後、こうした性能不足への対応案を取りまとめ、河川整備計画の策定に向け我孫子市と協議を進めてまいります。

2022年10月手賀沼湖岸堤防視察

柏土木事務所と県庁河川整備課にご案内いただき、工事を進めている我孫子市若松地区の手賀沼湖岸堤防の現場を視察しました。堤防の高さや遊歩道の状況等を確認することができました。現場を見て、住民の皆様の声を聞きながら、住民の要望に沿った安全な堤防整備が行われるよう、引き続き経過を確認していきます。

手賀沼湖岸堤防を視察する水野友貴1
手賀沼湖岸堤防を視察する水野ゆうき2

2022年9月定例県議会県土整備常任委員会質問

県土整備常任委員会にて質疑する水野ゆうき

水野質問:手賀沼湖岸堤防の整備についてお伺いしてまいります。この手賀沼湖岸堤防につきましては、代表質問など、様々な場でいろいろと質疑をさせていただいておりますが、平成25年の10月に起きました台風26号において手賀沼の水位が上昇し、そして越水をしたことによって、我孫子市若松地区、15戸の床下浸水被害が発生しました。それによって、治水安全度の向上という中で築堤工事を実施していただいているところで、様々な地域住民との協議であったり、県と市と共同して、この手賀沼湖岸堤防を整備していただいてるところですが、まずは現在の整備状況についてお聞かせください。

河川整備課長:我孫子市若松地区では、手賀沼の治水安全度向上のため、現在、堤防の整備を実施しております。現在、堤防の高さがおおむね確保されましたことから、管理用通路ですとか遊歩道の整備を実施してるところでございます。

水野質問:堤防と遊歩道を整備していただいてるというところで、住民説明会等も毎年開催していただいておりますし、その説明等によりますと、来年の令和5年度中には工事が終わる見込みというような御説明をしていただいてるところですが、今、御説明にあったとおり、遊歩道の整備というところが一つ、様々な住民の意見があって進められているところです。この若松地区における堤防に遊歩道を設置した経緯というものをお聞かせください。

河川整備課長:まず、平成19年になりますが、これは我孫子市のほうから良好な水辺環境を生かした施設ということで、堤防への遊歩道の設置要望を受けたところでございます。その後、委員のお話にありましたように住民説明会、この中で、堤防の天端を歩かれると、ちょっと家の中がのぞかれちゃうということでプライバシーに配慮してもらいたいなんていう意見があったところでございます。それを受けて、地元の代表組織であります若松地区水害対策委員会と県及び市で遊歩道の検討を重ねてきたところでございます。

その結果として、沼側の低い位置に遊歩道を配置する案、これは住民説明会に提示しまして合意形成を図られたというところでございます。

水野質問:私も、この住民説明会の議事録等も読ませていただいて、地域住民の方々からあらゆる御意見を私も吸い上げているところですが、様々な御意見があって沼地側に、天端より低いところに遊歩道整備を進めている状況について、やはりこの事業が随分長い間されているので、新しく住民が住まわれてきたりとか、それから世代交代してしまったり、当時の経緯を知らない方が非常に多くなっていて、私自身もどういう経緯があって沼地側に遊歩道を整備したのか、また天端は歩けないのかとか、いろいろな御意見をいただいているんですけれども、こういった整備状況について、地元の方々にどのように説明をされているのかお聞かせください。

河川整備課長:若松地区の水害対策委員会、あと県と市の合同で住民説明会、これは毎年開催しております。その説明会の中では、実施する工事の内容ですとか今後の予定等について説明しまして、住民の方々と意見交換をしているところでございます。

水野質問:今、いろいろと住民説明会、毎年開催させていただいていますが、やはりコロナの関係等でなかなか大人数が集まることができなかったりという状況もあるので、引き続き丁寧な説明を心がけていただきたいと思います。この遊歩道について、そもそも論として、治水対策として、県がこの手賀沼湖岸堤防を整備していただいたという中でプライバシーの問題であったり、そういった中で天端より低い位置に、沼側に遊歩道を整備したという中で、遊歩道について、今後の維持管理の在り方というのはどのように進めていくお考えなのかというところをお聞かせください。

河川整備課長:除草ですとか路面補修など維持管理の在り方につきましては、今後、我孫子市のほうと協議をしてまいりたいと思います。

水野要望:来年度、令和5年度中にこの整備が工事が終わるだろうという中で、恐らく供用開始というのが住民の中にも見え始めているので、この遊歩道をどういうように活用されていくのか。ルールづくり等も含めて地域住民の皆さん、かなり関心が高いと思っています。それから、今ずっと工事が続いているため、フェンスがかかったままとなっているので、このあたりもどうするのかというところも非常に皆さん気にしているところです。まずはこの堤防の整備を、治水対策という意味で完成を早くというところをお願いしたいと思います。

また、住民に対してしっかりと市と連携して丁寧な説明を行うように要望します。やはり堤防より低い位置に遊歩道が整備されることによって、浸水対策等のリスクももちろん出てくると思います。そういったときにどのような維持管理の方法があるのか、そしてまた、この整備によって手賀沼周辺を歩けるようになってくることから、手賀沼が盛り上がってくると思っておりますので、しっかり我孫子市と協議をしていただいて、維持管理の在り方というのもしっかりと市と住民と3者で連携をして決めていただきたいです。

実際に私も立入禁止のところも今回、入れさせていただいて、見ましたけれども、私の背の高さぐらい、相当、雑草が生えているという状況でした。

今回、住民の方々からいろいろな意見が出ているのは、やはりこの雑草の問題というのが一つ大きな点でもあると思います。やはりここを歩くようになると、しっかりと除草されていないと犯罪等が起きてしまうんじゃないかとか、夜道に1人で歩いていたら何か巻き込まれてしまうんじゃないかという懸念があるのも、もっともだと思いますし、実際にお話を聞いた際に、今年は非常に雑草が伸びる速度が速いんだというようなお話も伺いました。予算は同額というようなことですけれども、むしろ増額して、そういうように伸びる速度が速いのであれば、もっと頻繁に除草していただけるような形でお願いしたいと思います。