美しい手賀沼を取り戻す:特定外来生物対策と水質改善等

美しい手賀沼を取り戻す:特定外来生物対策と水質改善等

水野ゆうきは手賀沼の環境保全に関しては重要な政策の柱として注力しており、質問の機会の度に取り上げ、事業化や予算化ならびに市民団体等との協力体制の強化を促進し、対策に尽力しています。 

≪役職≫ 
手賀沼水環境保全協議会顧問 
千葉県環境審議会委員(水環境部門) 

もくじ

①手賀沼で確認されている特定外来水生植物:ナガエツルノゲイトウとオオバナミズキンバイ対策について 

ナガエツルノゲイトウ駆除

現状と課題
手賀沼ではナガエツルノゲイトウのみならず、2017年には滋賀県の琵琶湖でも駆除に苦慮しているオオバナミズキンバイが手賀沼において発見され、たった2年間で約10倍にも繁茂面積を拡大。

千葉県が令和元年度に実施した調査により繁茂面積は約10万㎡ということがわかり、森田知事時代より駆除費用を要望し、当初予算で約1億円が計上されています。令和2年度には水草刈取船を使用した外来水生植物の駆除を開始し、2021年7月までに北千葉第二機場周辺の約1万6,000平方メートルを刈り取り、それによって手賀沼とその流域河川における繁茂面積のうち約4分の1の駆除が終わりました。

しかしながら、一片の切れ茎からも非常に速い速度で成長する特定外来生物のナガエツルノゲイトウと、他の種を圧倒して短時間で成長し、光をさえぎってナガエツルノゲイトウさえ枯らしてしまうだけでなく、水から離れて陸でも生息・繁茂するオオバナミズキンバイは、手賀沼の水質・生態系などへ影響を及ぼすだけでなく、農業・漁業被害なども懸念されており、スピード感を持った対策が求められています。

水野ゆうきの活動と実績

2018年2月定例県議会予算委員会

千葉県では平成30年1月末現在、38種の特定外来生物が確認されています。このうち、カミツキガメ、キョンなど26種類が動物、ナガエツルノゲイトウ、オオキンケイギクなど12種類が植物。
特定外来生物への対応は、法律に基づき国が行うこととされていますが、実際に対応がなされている種類は限られています。

このため、特定外来生物の行動特性や生息状況、被害の発生状況等に応じて、県、市町村、市民団体や住民など様々な主体が対応を図らなくてはなりません。

水野質問:手賀沼流域で確認されているナガエツルノゲイトウやオオバナミズキンバイなどの植物について県ではどのように対応しているか。

千葉県答弁:河川管理上の支障が生じているものは県が駆除を実施しているほか、水辺環境の保全のため、市民団体と関係機関等が協働により駆除を実施。
また、県及び市民団体等において、水生植物の繁茂状況の調査を実施。

水野質問:オオバナミズキンバイは手賀沼で昨年初めて見つかり、環境保護団体のメンバーや県・市の職員らも参加し水際での除去作業を進めた。
オオバナミズキンバイは琵琶湖で2009年度に初確認されて以降、爆発的に増殖、滋賀県は2016年度、駆除に3億3千万円を投じるなどしており、手賀沼に関しても早めの対応が肝要である。
手賀沼流域における植物について環境に応じて適切に対応すべきだと思うがどうか。

千葉県答弁:植物の駆除については、行政、土地の管理者、市民団体等が、それぞれの立場で取り組んでいるところであるが、効果的な駆除を行うには、一層の連携が必要なことから、現在、関係者間で情報共有を行い、対応について、協議を進めている。

今後も、手賀沼水環境保全協議会などの場を活用し、関係者間で話し合いを行い、連携・協働による対策を進めていく。 

水野要望:水質浄化の活動や特定外来生物についても関係者間の連携・協働を一層進めていただきたい。
手賀沼水環境保全協議会を活用し、定期的に積極的に情報発信・意見交換を行うとともに、もっと多くの協力や参加が得られるような取り組みを進めていただくよう要望する。

2018年4月「手賀沼水循環回復行動計画」改定

千葉県は2018年4月に「手賀沼水循環回復行動計画」を改定し、新たな「行動メニュー」として「特定外来生物への対応」を追加しました。

2018年6月定例県議会一般質問

水野ゆうきは特定外来生物に関する千葉県の取り組みと外来生物法による処分方法の周知情報共有に関して質疑と要望を行いました。こまめな駆除作業をしていくにあたり、県民の皆様に適切な処分方法を周知していくことが肝要です。

水野質問:これまで手賀沼では一片の切れ茎からも非常に速い速度で成長する特定外来生物のナガエツルノゲイトウ対策に時間を費やしてきた。有効な防除策が模索されているさなかに、同じく特定外来生物に指定をされているオオバナミズキンバイが昨年6月に手賀沼で発見され、地域住民に衝撃を与え、大きく報道された。

オオバナミズキンバイは他の種を圧倒して短時間で成長し、光をさえぎってナガエツルノゲイトウさえ枯らしてしまうだけでなく、水から離れて陸でも生息、繁茂するため、水田耕作地への侵入が懸念されている。

(中略)手賀沼の環境保全に多大なる影響を及ぼしかねないと多くの市民団体、地域住民のみならず、専門家も警鐘を鳴らしている。
オオバナミズキンバイ等、特定外来生物の繁茂に対する取り組みはどうか。

環境生活部長答弁:県では昨年度、手賀沼における水生植物の繁茂状況について調査を行い、分布範囲の実態を把握した。本年4月に「手賀沼水循環回復行動計画」を改定し、新たな「行動メニュー」として「特定外来生物への対応」を追加。この計画に基づき、手賀沼水環境保全協議会などの場を活用し、情報共有を行いながら、流域住民や行政等が連携して駆除に取り組む。

水野質問:オオバナミズキンバイ等の処分方法について。

昨年、市民団体をはじめ、県職員、我孫子市職員らも含め、約60人が参加をしてナガエツルノゲイトウとオオバナミズキンバイの二つの外来植物が混生する約400平方メートルの群落を鎌で刈り取り、重機で桟橋に引き揚げ、沿岸の県有地に仮置きし、乾燥させた後に放射性物質濃度を測定後、焼却処分を行うなど、除去作業を実施はしたものの、オオバナミズキンバイは手賀沼各地で定着初期を越えて、大きく繁茂域を拡大させており、継続したこまめな駆除活動が大切であると湖沼の環境保全に係る市民団体の皆様が呼び掛けている。

近年、外来生物の悪影響に対する国民の認識の高まりもあり、特定外来生物に指定されている植物を対象にした小規模な防除活動も各地で行われている。
しかしながら、特定外来生物の処分については、外来生物法により持ち運びなどに関して様々な規制があり、善意で駆除をしたつもりでも思いもよらず法律に抵触してしまい高額な罰金などが発生する可能性もある。

このことが防除の妨げになっているという指摘が報告されていることからも、特定外来生物の処分方法について一定の方法を明確化し、周知していくことが非常に重要。

特定外来生物の運搬は原則禁止ではあるものの、特定外来生物である植物の防除を目的として地域住民やボランティア等による小規模な活動の円滑な実施を図るために、提示されている要件を満たせば、外来生物法にある運搬には該当しない場合もある。
オオバナミズキンバイ等の特定外来生物の植物はどのように処分すればよいか。

環境生活部長答弁:特定外来生物は原則、運搬や保管が禁止されているが、オオバナミズキンバイ等の植物の防除については、地域住民やボランティア団体等などによる小規模な活動の場合、一定の要件を満たすことにより運搬と保管が可能になる。

具体的には防除を行う前に、ホームページや掲示板等により、実施主体や実施日、場所等を告知し、袋に入れるなど、植物や種子の飛散防止措置を講じることにより、直接ごみ焼却施設やゴミ収集所に出すことが可能となる。持ち出されることがないように適切に管理することにより、処分するまでの一時的な保管も可能となる。

なお、相当規模で継続的に防除活動を行う場合には、防除実施計画書を作成の上、国の認定を受けることが必要。

水野再質問:特定外来生物に関する知識、情報や問題点が県民に周知されておらず、一見緑が増えているように見えて問題の深刻さについて理解が進んでいない。
処分方法についても実際にどういう活動の中で、どういう処分方法であれば外来生物法に該当しないのか、例えば具体的にどういうゴミ袋でどういう処分をしたら良いのか等含め、まだまだ特定外来生物に関する知識や情報が県民に伝達していない。特定外来生物に関する知識について、どのように県民に周知していくのか。

 環境生活部長再答弁:県ではホームページや生物多様性ちばニュースレターなどの広報媒体を活用するほか、市民講座や市民団体の学習会への講師派遣を行うなど、様々な方法で特定外来生物に関する知己の普及に努めてはいるが、どういう知識が求められているかという点の把握も含め、普及啓発に取り組んでいきたい。

水野再質問:琵琶湖では外来水生植物対策に特化した協議会も設立するなど、かなり組織的に取り組んでいる。
千葉県においては特定外来生物に関しては情報と知識を共有できているとは言い難い状況。協議会等と住民団体が定期的な意見交換を行える場を設けていただきたい。

市民団体・有識者・行政職員・議員による情報交換会・勉強会開催

市民団体や有識者、行政職員や議員が参加をした情報交換会などを開催し、最新の効果的な防除方法等の情報を共有。

市民団体との連携や駆除方法・注意点の情報共有の機会を要望した結果、県に実現していただき、2019年1月28日に印旛沼水質保全協議会及び手賀沼水環境保全協議会の合同勉強会を開催。

2019年2月定例県議会予算委員会

【千葉県の対応】2019年度に新規事業として「湖沼における外来水生植物対策事業」1千万円計上。

手賀沼をモデルとした湖沼における外来水生植物対策事業が計上され、また大きな一歩へと踏み出すことができました。

特定外来生物について、手賀沼では、これまで市民団体等による自主的な駆除等に留まっていることから、行動計画では、流域の住民、事業者、行政の協働・連携による駆除を進めることとしたところです。県としては、新規事業にて以下の取組を進めていきます。

●水生植物の繁茂状況の調査を実施
●効果的な駆除方法や継続的な管理手法の検討
●市民団体等への支援方策

その中で水野ゆうきが特に重視をしているのが「管理手法」と「市民団体等への支援方策」です。

水野ゆうきの質問に対し、千葉県からは

繁茂状況の調査結果を基に、利水、治水、生態系などへの影響を考慮し、群落ごとの駆除の緊急性や作業の難易度等を把握した上で、具体的な駆除方法や、駆除の優先度の検討を行うとともに、実施体制や、住民、事業者、行政の役割分担などの検討を行う。
また、市民団体等への支援については、管理手法の検討結果を基に、市民団体等による自主的かつ継続的な駆除を可能にするため、技術面なども含めた支援策について検討していくこととしている。

という答弁をいただきました。

引き続き、計上された1千万円を有意義に活用されるよう注視するとともに、市民団体等との更なる連携を求めていきます。 

2019年9月定例県議会一般質問

千葉県としても特定外来生物対策に力を入れていただき、昨年4月に「手賀沼水循環回復行動計画」を改定し、新たな「行動メニュー」として「特定外来生物への対応」を追加するとともに、今年度当初予算において新規に「湖沼における外来水生植物対策事業」として1千万円を計上しています。
今年度も市民団体や有識者、行政職員や議員が参加をした情報交換会なども開催され、最新の効果的な防除方法等の情報を共有するなど、今後の具体的な駆除に向けて取り組んでいるところです。駆除を滞りなく進めるように要望しました。

水野質問:湖沼における外来水生植物対策事業の進捗状況と今後の見通しはどうか。

環境生活部長答弁:県では、今年度から湖沼における外来水生植物の計画的な駆除を進めるため、管理手法の検討などを行っている。
これまでに、手賀沼において船やドローンを活用した水生植物の繁茂状況の調査や先行して駆除に取り組んでいる滋賀県の刈取り現場などの視察を実施。

今後はこの結果を踏まえ、今年度末までに群落ごとの駆除の優先度や手賀沼に適した効果的な駆除方法の選定を行うとともに継続的な駆除、管理を可能とするための市民団体等への支援方策についても関係者の意見を聞きながら検討する。

2020年2月定例県議会予算委員会(千翔会)

【千葉県の対応】
前年度を大きく上回り2020年度に「湖沼における外来水生植物対策事業」 101,330千円(R1 10,000千円)(債務負担行為 62,000千円)計上。

  1. 事業の目的・概要 
    ナガエツルノゲイトウやオオバナミズキンバイなどの外来水生植物が、印旛沼及び 手賀沼とその流域河川で急速に繁殖しており、水質・生態系などへの影響や、農業・ 漁業被害などが懸念されることから、令和元年度に実施した調査・検討結果をもとに計画的な駆除等を進めます。
  2. 主な事業内容
    (1)手賀沼における計画的駆除 令和元年度に実施した繁茂状況の調査や駆除方策の検討結果を踏まえ、優先度の 高い群落から計画的な駆除に着手します。
    (2)印旛沼における水生植物繁茂状況調査 駆除の実施に向けた方策を検討するため水生植物の繁茂状況を調査します。


この事業内容に基づき、以下の質疑を水野所属会派「千翔会」として行いました。

水野質問:手賀沼では、外来水生植物の繁茂域が急速に拡大し、中でもオオバナミズキンバイがたった 2年間で約10倍にも繁茂面積を拡大していた。このまま、手賀沼の外来水生植物が拡大していくと様々な問題が生じる。
県は令和 2年度の当初予算(案)に「湖沼における外来水生植物対策事業」として 1億円を超える予算を計上し、手賀沼における外来水生植物の駆除等に着手する。具体的にどのように駆除を実施していくのか?

千葉県答弁:手賀沼は季節による水位の変動があることから、水草刈取り船を活用した大規模な駆除作業は水位が高い3月末から8月までの間に実施する必要があると考えている。このため、来年度は8月めでに試験駆除を行い、手賀沼に適した水草刈取り船の選定や効率的な駆除方法等の検討を行ったうえで、令和3年3月から本格的な駆除を実施する予定。
一方、水刈取り船が活用できない流入河川の河口部では、水位の低くなる時期に人力や小型の重機を用いた駆除を進めていく。

水野質問:約2万7千平方メートルと広範囲に繁茂する外来水生植物を駆除するとのことであり、駆除に伴い大量の植物を処分することになる。処分するまでの間、駆除した植物の根や茎から再繁茂することも懸念されるところだが、どのように処分するのか。

千葉県答弁:駆除した外来水生植物は、大量の水分を含み、重量があることから駆除箇所から近く、広さが一定程度ある場所に引き上げて、乾燥させ、市の焼却施設で処理することとしている。
外来水生植物は陸上でも繁茂するという知見があることから、舗装した場所で乾燥させ、また、飛散防止のためシートで覆うなどの対策を講じる。

水野質問:地元では繁茂域が急速に拡大している外来水生植物に対し、大規模な駆除を行うことに大変関心が高い。
また県の駆除後の管理を適切に行うためにも、地元市や住民団体との協働が必要であり、この事業を手賀沼周辺の市民に対し、情報提供していくことが重要。市民への駆除等への情報提供はどのように行っていくのか。

千葉県答弁:事業の実施に当たっては、県ホームページへの掲載のほか、地元市の協力を得て、広報誌やリーフレット等による情報提供を行っていく。

水野要望:アフターケアも重要であるので、県は積極的なフォローとともに、市民団体等の意見を聞きながら、大規模駆除後の再繁茂を防止するための体制構築に向けて協議を進めてほしい。

2020年6月~7月 千葉県による特定外来水生植物の駆除開始

今年度は千葉県に約1億円の予算をつけていただき、本格的な駆除に乗り出すこととなりました。周辺の皆様からたくさん感謝のお言葉をいただきました。 今回は試験駆除1回目でして、2回目は7月下旬に行い、その結果も踏まえてさらに計画的に本格的に駆除を行うこととなります。

ナガエツルノゲイトウ駆除②

今回使用しているのは琵琶湖において、外来種駆除で実績を上げている「ハーベスター」という刈り取り機で、大堀川河口部の我孫子市側でナガエツルノゲイトウとオオバナミズキンバイの駆除作業を行っています。
7月3日まで行われます。上流部から下流部に流れてしまうために上流部から刈り取っていきます。

2021 年 2 月定例県議会予算委員会

現状と千葉県の予算措置
千葉県では「湖沼における外来水生植物対策事業」を開始し、調査の結果、手賀沼とその流域河川全体の繁茂面積が約 10 万平方メートルにも及ぶことが明らかになりました。

令和 2 年度中に約 9 千 2 百平方メートルを駆除し、令和 3 年度は約 1 万 6 千平方メートルと対象面積を拡大して駆除を実施する計画です。森田知事に対し、継続した予算措置を要望した結果、令和 3 年度の当初予算で外来水生植物対策事業として1億1千万円が計上されました。

2021年2月予算委員会で質問をする水野ゆうき①

水野質問:令和3年度の駆除事業について、スケジュールや駆除方法など具体的にどのように進めていくのか。

千葉県答弁概要:令和3年度は、4月から10月にかけて本格的な駆除を実施する予定。
事業の実施にあたっては、あらかじめ地元関係者にスケジュールをお知らせしたうえで、北千葉第二機場周辺などにおいて、大型の水草刈取船を使用して駆除を進めていく。

水野質問:未だに多くの外来水生植物が手賀沼とその流域河川に繁茂しているが、令和3年度までの駆除事業でどの程度の刈取りを終えると見込んでいるのか。外来水生植物はどんどんその勢いを増し、急拡大した結果、ここまで繁茂してしまった。スピード感を持った駆除対策を要望する。

千葉県答弁概要:令和3年度までの2年間で、手賀沼とその流域河川のおよそ4分の1に当たる約2万5千平方メートルの駆除を終える見込み。

水野質問:県だけではなく、地元市など関係者との連携が、ますます大事なものになっていくのではないかと考える。外来水生植物対策事業の実施に当たり、地元市とはどのような連携をしているのか。

千葉県答弁概要:駆除対象の植物は、特定外来生物に指定されているため、焼却するなど適正に処分する必要がある。
事業の実施に当たっては、地元市には、ごみ焼却施設への受入れや処分費について協力いただいており、今後も連携し、進めていく。

水野質問:地元市と連携してこの事業が進められている中で、事業を効果的に進めるには、地元市だけでなく、関係団体等とも協働して取り組んでいくことが重要だと考えており、私はこれまでも外来水生植物対策において関係者間の連携・ 協働を一層進め、住民団体との意見交換の場を設けるよう要望し、勉強会等を実現していただいた。関係団体等との協働はどのように進めていくのか。

千葉県答弁概要:現在、一部の団体には刈り取った植物の水上運搬などで協力をいただいている。
関係団体には、駆除の手法など事業の進捗状況を説明し、情報共有を図っているところ。
今後は、再繁茂を防止する体制の整備に向け、関係団体との協働を一層進めていく。

2021年5月、Twitter 「千葉県水草バスターズ」 を開設

手賀沼等に繁茂する外来水生植物について、水野ゆうきは市民団体、住民、専門家、行政、政治家等との連携や勉強会の開催等を要望し、県民の知恵や力を借りてあらゆる形で情報共有し、千葉県一丸となって環境保全に努めることを目指しています。結果、千葉県は定期的に様々な団体等を集めた勉強会の開催をしていましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、勉強会の開催も難しくなっている現状があります。

そこで、千葉県はTwitter「千葉県水草バスターズ」を開設し、印旛沼、手賀沼などの水環境への悪影響が懸念されている外来水生植物に関する情報を発信するということを打ち出しました。

県民の皆様からも投稿いただくなど、外来水生植物に関する情報を集約できる場になることを目指すとともに、Twitterでの情報発信により、外来水生植物のことを広く県民に知っていただき、今後の拡散防止や早期発見・駆除につながることを期待しての開設です。

一人でも多くの県民の皆様方に千葉県の自然豊かな環境に潜む課題について知っていただき、有意義な情報交換をしながら、私自身も皆様方のお知恵や経験等を参考にさせていただき政治家の立場として外来水生植物対策に引き続き尽力していきたいと思います。

アカウント名:「千葉県水草バスターズ」(@CAPbusters

※CAP とは Chiba Aquatic Plants の略称
読みやすさ・発音しやすさに着目して「外来水生植物」を「水草」と表し、映画の題名などで普及している「バスターズ」を「駆除隊」の意味で用いています。

発信内容
  1. 外来水生植物に関する情報
    ・県による駆除の状況(水草刈取船による刈取りや水草の処理の様子など)
    ・他の湖沼における取組に関する情報など
  2. 住民等が行う環境保全活動に関する情報
    ・住民参加による駆除の情報
    ・住民等による外来水生植物のモニタリング活動など
  3. その他
    ・印旛沼、手賀沼に親しんでいただける情報など
運用ポリシー
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2021年6月定例県議会代表質問

2021 年 6 月代表質問をおこなう水野ゆうき

熊谷俊人知事就任後初の定例会において、熊谷知事がどのように手賀沼の課題に向き合い、解決していくかということを確認しました。

水野質問:県が令和元年度に実施した調査によりますと、約10万平方メートルの外来水生植物が繁茂していることが分かっている。手賀沼に関しましては、私はこれまで水質改善のみならず、外来水生植物対策について本会議や予算委員会で質疑を行い、森田知事時代から駆除の予算を計上していただいており、今年度は当初予算として約1億1,000万円が計上されている。

外来水生植物の駆除対策にはスピード感を持って取り組むことが重要であり、市民団体、住民、専門家、行政などが連携をし、県民の知恵や力を借りながら様々な形で情報共有し、千葉県一丸となって着実に駆除を進めてもらいたいとの思いから、今年の2月の予算委員会でも、この点について要望を行っている。

県では5月に外来水生植物の駆除に関する情報などを発信するツイッターを開設し、現在進められている駆除事業の様子を広く県民に情報発信されており、今後も手賀沼の駆除事業がますます進んでいくことを期待している。

手賀沼の外来水生植物であるナガエツルノゲイトウとオオバナミズキンバイの駆除事業の進捗と今後のスケジュールはどうか。また、外来水生植物の駆除を進めるに当たり、地元市や関係団体等とどのように連携を図っていくのか。

滝川副知事答弁:県では、令和2年度に水草刈取船を使用した外来水生植物の駆除を開始し、沼の西側の群落の約9,900平方メートルの刈取りを行いました。今年度は5月から刈取りを開始し、7月までに北千葉第二機場周辺の約1万6,000平方メートルを刈り取る予定であり、それによって手賀沼とその流域河川における繁茂面積のうち約4分の1の駆除が終わる見込みです。
今後も繁茂拡大を防止する観点から、沼の上流側や風上に当たる群落など優先して駆除を行うべき群落を選定し、着実に駆除を進めてまいります。

外来水生植物の駆除に当たっての地元市等との連携に関する御質問ですが、駆除対象の植物は、外来生物法に基づく特定外来生物に指定されており、刈取り後に適正に処分する必要があることから、地元市にごみ焼却施設への受入れや、その費用について御協力をいただいています。
また、関係団体との間では、駆除の手法や課題、事業の進捗状況等を県から説明するとともに、団体からは駆除後のモニタリング結果等について報告を受けるなど情報共有を図っているところです。今後、県による駆除事業に加え、自主的に駆除を行う団体への支援、駆除後の再繁茂を防止する体制などの整備に向けて、地元市や関係団体等との連携を一層推進してまいります。

2021年7月 手賀沼の特定外来生物の駆除・保管場所の現場を視察

手賀沼に繁茂している特定外来生物のナガエツルノゲイトウとオオバナミズキンバイの駆除現場の視察に行きました。実際に予算を確保したあとに、こうしてどのような作業が行われているのかを確認し、現場の作業やご苦労等を知ることはとても重要です。

ボートで刈取現場まで行き、水草刈取船での駆除作業を実際に見せていただきました。

ボートで手賀沼の視察をおこなう水野ゆうき
手賀沼に繁茂する外来水生植物

以下が工程となっております。

  1. 駆除
  2. 水上運搬
  3. 揚陸
  4. 保管場への陸運
  5. 保管場での天日干し
  6. 処分場への搬出

手刈りでナガエツルノゲイトウやオオバナミズキンバイを刈ったものをハーベスター(ヤンマー製で琵琶湖などでも使われています)の吸い込み口から船内に巻き取って回収する作業を行います。

手刈りでナガエツルノゲイトウやオオバナミズキンバイを刈る様子
猛暑の中での人力による手刈取の作業の様子

この下には沈没船があり、ハーベスターが近づけないということで、猛暑の中での人力による手刈取の作業の大変さを目の当たりにしました。

ハーベスターで回収した外来水生植物はボートに乗せます。

回収した外来水生植物をボートに積載する様子
ボートに載せた外来水生植物を桟橋のトラックに載せる様子

ボートに載せた外来水生植物を桟橋のトラックに載せます。

トラックで保管場所へ移動します。 

外来水生植物をトラックで保管場所へ移動する様子
外来水生植物を保管場所にて乾燥させる様子

約1週間この場で保管し、乾燥させます(※雨など降るともっと乾燥日数がかかるとのことです)。

順次1日に12t前後(3tトラック×4台=12t)を処分場に搬出する予定とのことで、地元市にはごみ焼却施設への受入れやその費用についてご協力いただいています。

暑い中で、作業に従事されている皆様と視察に快く応じていただきました業者の皆様および千葉県に心より感謝申し上げます。視察内容を今後、議会活動等に活かしていきます。

当初予算で外来水生植物対策費として1億27,744千円を計上していただきました。
2月定例会における水野ゆうきの予算委員会の答弁によると、手賀沼とその流域河川に繁茂しているナガエツルノゲイトウとオオバナミズキンバイについて、今年度は4月から10月の間に大津川河口部周辺など主に柏市側約1万8千㎡を駆除する予定であり、それにより繁茂面積の約45%の駆除を終えることになるとのことでした。

また、現在のペースで駆除を進めた場合、令和10年度を目途に完了する予定とのことですが、刈り残した根や茎の断片からも植物体が再生し、水流によって、すでに駆除した場所や新たな地で定着・再生してしまい、強力な拡大力と再生力を特徴とするナガエツルノゲイトウとオオバナミズキンバイを駆除するには長期戦が見込まれます。

昨年度中に駆除した箇所にすでに繁茂しており、断片的な対策ではいたちごっこの繰り返しであることを知事にもご理解いただけたかと思います。
こうした状況から、千葉県は新規事業として県民の皆様がナガエツルノゲイトウ又はオオバナミズキンバイ等を駆除する活動の経費に助成を行う湖沼における外来水生植物防除事業補助金を創設しました。

2022年 2 月定例県議会予算委員会

水野質問:県は令和元年度に繁茂状況調査を行い、手賀沼とその流域河川においてナガエツルノゲイトウやオオバナミズキンバイなどの特定外来生物が約10万m2生息していることがわかっている。第8期計画では、外来水生植物の駆除が新たな水質保全施策の一つとして盛り込まれており、先日の当会派の代表質問の答弁で、この2年間で全体面積の4分の1の駆除が完了したとのこと。

第8期計画では、外来水生植物を計画的に駆除することとしているが、駆除を完了するのにどの程度の期間を要するのか。

2022年2月定例県議会の予算委員会で質疑する水野友貴

千葉県答弁:現在のペースで駆除を進めた場合、大規模な再繁茂の発生等、大きな状況の変化がなければ、令和10年度を目途に完了する予定。

水野質問:令和4年度に予定している駆除計画の具体的な中身は?

千葉県答弁:令和4年度当初予算案では、手賀沼の駆除事業に1億2,774万4千円の予算を計上しており、令和4年4月から10月の間に、大津川河口部周辺など約1万8千平方メートルを駆除する予定。それにより、繁茂面積の約45%の駆除を終えることになる。

水野要望・質問:何度も本会議等で指摘をしてきているが、外来水生植物は一片の切れ茎からでも急速に繁茂している。計画的に駆除していくというご答弁だったが、今後何年もかけて毎年約1億円をつぎ込むよりなるべき早い段階で一気に駆除する方が効率的。

昨年の夏に手賀沼の駆除作業の一連をすべてボートに乗って、暑い中、業者の方々がハーベスターという刈取機等駆除作業をされている様子を視察してきた。

手賀沼流域では、外来水生植物の駆除に取り組んでいる市民団体がおり、駆除に多大なるご協力をいただいているところ。県では、令和4年度からこのような市民団体の活動を支援する制度を創設すると先日の我が会派の代表質問にて答弁があった。

新規事業となる市民団体における外来水生植物防除事業補助について、市民団体への周知と募集はどのように行うのか。

千葉県答弁:令和4年4月頃を目途に県ホームページや昨年開設した外来水生植物駆除の状況などを伝えるツイッター(https://twitter.com/CAPbusters)等の媒体を活用し、補助事業の応募要件や募集期間等について県民等に周知する予定。

2022年4月【新規事業】湖沼における外来水生植物防除事業補助金創設

市民団体が積極的に外来水生植物の駆除に取り組めるよう、市民団体へのサポートや支援を要望したことにより、千葉県では印旛沼及び手賀沼とその流域河川の水環境の保全を図るため、市民団体が外来水生植物を駆除する活動に要する経費について補助金を交付する制度を新設しました。現在は第二次募集まで経て、4団体が採択され、それぞれの手法で駆除作業に取り組んでいただいています。

2022年5月市民団体と専門家とともに手賀沼視察

市民団体にご協力いただき、船に乗って手賀沼の特定外来生物のナガエツルノゲイトウとオオバナミズキンバイならびにゴミの現状を視察しました。実際に現場で専門家の説明を聞き、ヨシの管理や外来水生植物の利活用など含め、外来水生植物の駆除のみならず、ここまで繁茂してしまった状況を作り出している水環境自体に目を向けることの大切さを再確認した1日となりました。

森田知事時代から外来水生植物の駆除費用については予算要望して、対応していただいておりますが、昨年駆除したはずの我孫子側のナガエツルノゲイトウがまた繁茂。流れ着いた部分もあり、ヨシにも絡み付いており、水質改善への課題も認識しました。

手賀沼を視察する水野友貴

2022年5月熊谷俊人・千葉県知事の手賀沼視察

手賀沼を視察する水野友貴と熊谷千葉県知事、星野我孫子市長

熊谷俊人知事が我孫子市に足を運んでいただき、我孫子市が抱える課題として特に、手賀沼の特定外来生物の現状等をつぶさに見ていただきナガエツルノゲイトウとオオバナミズキンバイの駆除が追い付いていないことや昨年度我孫子側で駆除した箇所にも既に繁茂していることなどを星野市長ともにお伝えしました。 特定外来生物だけでなく、水質改善という意味ではゴミやヨシの管理、ヘドロなども対策を取っていく必要性もお話しました。

2022年6月定例県議会代表質問

水野質問:県は、市民団体による湖沼における外来水生植物の防除にどのような効果を期待し、また、団体への補助等を通じ、今後の防除にどう取り組んでいくのか。

2022年6月定例県議会にて千翔会の代表質問に登壇する水野友貴

滝川副知事答弁:
●印旛沼や手賀沼の流域では、これまでも複数の市民団体が自主的に外来水生植物の刈取りなどを行っていただいており、県による大規模 な群落の駆除と、市民団体による機動的で、きめ細かい作業とを組み合わせることで、 より効果的な駆除が可能となります。 

●県では、今年度から市民団体の活動がより充実したものとなるよう、刈取りや運搬用機材の借上げなどに要する費用を補助することとし、現在、対象団体の選定を進めております。

●今後、市民団体には、補助を活用いただいて、 県が駆除を行った後のモニタリングや、再繁茂 箇所の刈取りなどを行っていただき、できる限り早期に、湖沼とその流域河川の駆除を終えられるよう、連携を深めて取り組んでまいります。

水野再質問湖沼における外来水生植物 防除事業補助の応募状況と今後 の予定はどうか。

吉野環境生活部長:防除に取り組む市民団体を4月20日から 5月17日の期間で募集したところ、印旛沼で 1団体、手賀沼で2団体の計3団体から応募をいただきました。 
現在、事業計画など、申請の内容確認を行っているところであり、今月中を目途に、交付対象団体を決定したいと考えております。

2022年8月 インターン生と2日間にわたる手賀沼視察

水野ゆうき事務所に勉強に来ているインターン生とともに手賀沼の調査研究を行いました。議会で必ず取り上げる手賀沼の外来水生植物のナガエツルノゲイトウとオオバナミズキンバイの繁茂状況と特徴を説明しながら、ゴミの現状についても実際に学生に見てもらうことで、若い世代とともに今後の環境問題について考えていくきっかけを作っています。

手賀沼の調査をする水野友貴とインターン生
水野ゆうきとインターン生による手賀沼調査研究の様子

市民団体による湖沼における外来水生植物防除事業

今年度から千葉県の新規事業として開始いたしました『市民団体による湖沼における外来水生植物防除事業』の駆除作業現場へ見学&お手伝いに行ってきました。この事業は肝いりの事業でもあり、市民団体の声を届けながら何度も担当課と協議を行い、代表質問でも盛沢山の内容で取り上げてきました。今回は見学する機会をいただきまして、後援会長と事務所スタッフ、学生インターンと一緒にお邪魔しました。

外来水生植物の防除作業をする水野友貴と後援会長、事務所スタッフ、インターン生
防除した外来水生生物

今回は手賀沼公園すぐ横に繫茂している外来水生植物の駆除作業のお手伝いをさせていただきました。最終的には、164袋 約650kg程を回収されたと報告を受けました。大変な作業で、みんな泥だらけになりましたが、こうした皆さんのご尽力で手賀沼が綺麗になることをたくさんの人に知ってもらいたいですし、一緒に汗をかいて、初めて現場を知ることになります。

一生懸命、私も議員の立場からも市民の立場からも環境保全のため、行政に働きかけていき、一緒に働いていきます。

水田に侵食している外来水生植物の視察

手賀沼に繁茂している外来水生植物のナガエツルノゲイトウとオオバナミズキンバイが水田に侵食してしまっている状況について、農家の方々からご相談を受けました。早速、我孫子市農政課とともに、現場を確認し、県と対策協議を開始しています。農薬を使用しない形で駆除できるように関係機関と協議を重ねています。

水田に侵食している外来水生植物の現状を確認する水野友貴

②環境基準未達成の手賀沼の水質改善

現状と課題
環境省による令和元年度公共用水域の水質測定結果で手賀沼の水質は全国ワースト3位という状況です。
手賀沼は手賀沼流域の宅地開発が急速に進んだことにより人口が急増し、沼には大量の生活排水が流れ込んだことで、CODの悪化が進み、結果、夏にはアオコが異常発生し、沼に生息する魚や水生植物にも影響しています。
北千葉導水事業による排水規制を強化したことにより、水質は改善されたものの近年は横ばいでの推移。
沼への流入負荷量は年々減少しているにも関わらずCOD(水質指標の一つ)の環境基準5ml/Lを未だクリアしていません。
手賀沼の水質が改善しない原因として、富栄養化に伴う内部生産による二次汚濁の進行の影響も考えられています。  

水野ゆうきの活動と実績

2016年2月定例県議会一般質問

水野質問:千葉県は手賀沼の水質改善はどのくらい進んだという理解か。

環境生活部長答弁:湖沼水質保全特別措置法に基づき、昭和61年度に湖沼水質保全計画を策定して取組を開始。平成12年度からは北千葉導水事業を開始。
これらの施策により、平成26年度には4分の1まで水質が改善した。
→最も汚れていた昭和54年度のCOD年平均値28mg/Lから7.6mg/Lまで改善

水野ゆうき

水野質問: 手賀沼の水質浄化に向け、今後どのように取り組んでいくのか。

環境生活部長答弁:水質は改善してきているが、依然としてCODは環境基準を上回っている。
現在の湖沼水質保全計画が今年度で終了することから、来年度に新たな計画を策定していくこととしている。
引き続き、流域市や関係団体等と連携、協働を図り、手賀沼の水質浄化に取り組んでいく。

水野要望:手賀沼は住民の憩いの場であり、エコマラソン等のメインスポットとしてイベントも盛んである。
環境基準の5mg/Lに達するよう来年度からの新しい計画にて、更なる水質浄化に向け努力してほしい。

2018年2月定例県議会予算委員会要旨

北千葉導水事業による排水規制を強化したことにより、水質は大幅に改善をされたものの、CODは、環境基準の5ミリグラムを達成していない状況で、近年は横ばいでの推移。
この手賀沼の水環境に係る現状課題を県はどのように認識しているのかを問い、県、流域市、利水団体、住民団体との連携強化を要望しました。

予算委員会2018①日目 水野ゆうき

千葉県答弁:手賀沼に係る湖沼水質保全計画に基づき、下水道の整備や高度処理型合併処理浄化槽の普及、雨水貯留浸透施設の設置などの各種対策を講じた結果、沼に流入する汚濁負荷は着実に削減されているものの、水質は横ばい。
これまでに行ってきた汚濁負荷削減対策に加え、水質汚濁メカニズムを解明し、水質改善に向けた効果的な対策を検討する必要がある。

水野質問:平成28年度のCOD年平均値は8.6、全窒素2.2、全りん0.15と10年前とほぼ変わっていない。
手賀沼の水環境課題に対し、今後はどのように取り組んでいくのか。

千葉県答弁:平成29年3月に策定した第7期の湖沼水質計画では、水質汚濁メカニズムの解明などの調査・研究を推進することとしており、調査等に必要な予算を平成30年度当初予算に計上。今後とも、計画に基づく事業を着実に実施するとともに、一層の水質改善に資する調査・研究を推進し、効果的な対策を検討する。

水野質問:原点に戻って調査研究費用を計上するとのことだが、手賀沼の水環境の保全を進めて美しい手賀沼をよみがえらせるため、手賀沼に関しては地元住民が立ち上がり、様々な形で市民活動が行われており、手賀沼の水環境を保全していくためには、行政、住民等の関係者間の連携が重要と考える。現在はどのように取り組んでいるのか。

千葉県答弁:手賀沼では、県、流域市、利水団体、住民団体が連携・協働して、手賀沼の水環境の保全を推進するため「手賀沼水環境保全協議会」を組織し、

●市街地における初期雨水等の下水道への取り込み
●住民、行政等の協働による湧き水・河川・水生生物の調査
●ポスターコンクールやパンフレット等による普及啓発
●市民団体への活動支援

などを実施。

水野質問:手賀沼が抱える課題に対処するためには、地域住民、NPO、事業者及び行政が問題意識と情報を共有し、このどれかだけが先行して頑張る、ということではなくて各種施策をそれぞれが連携をして、長期的な視野のもと総合的、計画的に推進するように要望する。

【千葉県の対応】
①千葉県は内部生産による水質汚濁メカニズムの解明やメカニズムを踏まえた水質予測シミュレーションの精度向上などの課題への対処に必要な調査等を行う。
②第8期湖沼水質保全計画の策定(令和3年度に予定)のため、モデル改善方策の考え方整理、対策効果の定量化・可視化のための手法検討、具体的な目標設定の検討等を実施。

2019年12月16日 千葉県環境審議会水環境部会出席

水野ゆうきが千葉県議会から委員として選出されている千葉県環境審議会(水環境部会)に出席し、『令和2年度公共用水域及び地下水の水質測定計画(案)について』協議を行いました。この計画は水質汚濁防止法の規定に基づき、千葉県の区域に属する公共用水域の水質汚濁の状況を常時監視するために行う水質及び底質の測定について必要な事項を定めるもので、原案通り承認されました。

今回はこの諮問事項のほかに

  1. 東京湾に係る第8次総量削減計画の進捗について
  2. 印旛沼及び手賀沼に係る湖沼水質保全計画(第7期)の進捗について

の2項目について事務局(千葉県)から報告がありました。特に(2)に関しては県議1期目から水野ゆうきが取り組んでいる手賀沼の水質保全についてであり、詳細に関しては議員の立場で行政側(千葉県)から既にヒアリングはしていた内容ではありましたが、学者や住民代表の皆様が委員となっている審議会では、また議会とは異なる視点でのアドバイスや意見も出て大変勉強になりました。

最新の情報によると印旛沼の水質はワースト2位、手賀沼はワースト3位とのことです。千葉県は内部生産による水質汚濁メカニズムの解明やメカニズムを踏まえた水質予測シミュレーションの精度向上などについて取り組むこととしており、これは委託事業となるため、これから入札となります。解明結果等も含め、来年度にまた審議会が予定されています。次はとても大切な審議会となりますし、議員としても、環境審議会委員としてもしっかりとフォローしていきたいと思います。

2021年2月定例県議会予算委員会

水野質問:湖沼水質保全計画策定事業について、県では、手賀沼に係る湖沼水質保全計画を策定し、総合的な水質保全対策の推進を図っている。

現行の第7期計画の期間が、令和2年度末までとなっており、令和3年度に次期計画を策定することとなっている。

計画では、沼の汚れの程度を表すCOD(化学的酸素要求量)のほか、植物プランクトンの栄養源となる全窒素や全りんについて第7期湖沼水質保全計画の水質目標値の達成状況はどうか。

千葉県答弁概要:これまでの計画に基づき進めてきた事業により、沼に流入する汚濁量は着実に削減されてきたが、令和元年度の時点では、いずれの項目も、目標の達成には至っていない状況である。

水野質問:目標値は、水質予測モデルを用いて予測した値により設定している。この予測モデルの精度を高めて、より正確に将来の水質予測を行うために、課題を洗い出し、見直す必要がある。
水質予測モデルの課題と具体的な見直し内容はどうか。

千葉県答弁概要:現行の計画で使用しているモデルでは、沼に流入する汚濁負荷量の予測値と実測値が乖離しているという課題がある。
そこで、実測による河川流量と水質を詳細に測定したうえで、汚濁負荷量を予測することで、より実態を反映したモデルになるよう見直している。

水野質問:沼に流入する汚濁には、私たちの毎日の暮らしから出る生活排水や、雨により市街地から流出する汚濁など多岐にわたっている。現行の計画では、沼の水質改善に向け、今後の効果的な対策を検討するため、水質汚濁メカニズムの解明などの調査研究に取り組んでいくこととなっている。
水質汚濁メカニズムの解明によりどのようなことがわかったのか。

千葉県答弁概要手賀沼では、北千葉導水事業による浄化用水の注入により、水質は大幅に改善したものの、その後は改善が進まず、横ばいの状況が続いている。
その主な要因として、沼の内部で増殖する植物プランクトンの影響が依然として大きく、さらなる改善に向け、これらの増殖を抑制するために、水の流れや気象条件などを考慮した対策が必要であることがわかった。

水野質問:さまざまな調査・検討が専門分野で進められている中で水質汚濁メカニズムの解明状況が具体的に数字とともに出てきており、その結果を踏まえた今後の改善策等に期待を寄せたい。

特に季節や植物プランクトンの因果関係等を見極めて、水質シミュレーションモデルの精度を向上させることにより、COD横ばいという状況を脱することができればと思う。 

今後は、より効果的な施策を盛り込んだ次期湖沼水質保全計画の策定に向け、しっかり取り組まなくてはならない。次期湖沼水質保全計画の策定に向けたスケジュールはどうか。

千葉県答弁概要:本年8月ごろを目途に、次期計画の素案を作成し、千葉県環境審議会での審議や、パブリックコメントなど必要な手続を経て、令和4年3月の策定・公表を予定している。

2022 年 2 月定例県議会予算委員会

水野質問:千葉県では湖沼水質保全特別措置法に基づき、これまで7期35年にわたり、印旛沼及び手賀沼に係る湖沼水質保全計画を定め、総合的な水質保全対策を進めてきましたが、手賀沼ではCOD、全窒素、全リン、いずれの項目についても環境基準も達成することができませんでした。

第7期湖沼計画で実施した調査研究の結果では、水質改善の停滞は植物プランクトンの増殖による内部生産が原因であることが示されています。

先般の我が会派の代表質問においても湖沼の水質改善策について質疑を行った際、第8期計画では、新たな取組の一つとして、更なる水質改善を図るため、植物プランクトンの増加抑制策を検討するとの答弁がありました。手賀沼で発生している植物プランクトンにはどのような特徴があるのか。

2022年2月定例県議会予算委員会にて質疑する水野友貴

千葉県答弁:かつての手賀沼では、夏場にはアオコの原因となる藍藻類が優先していたが、北千葉導水により浄化用水が注入されるようになってから、プランクトンの構成が変化し、近年では年間を通じて珪藻類が多くを占めている。

水野質問珪藻類の増殖を抑制できれば、さらなる水質改善が期待できると理解した。それでは近年の発生状況を考慮した植物プランクトンの増殖抑制策について、どのように検討していくのか。

千葉県答弁:第8期計画策定に使用している水質予測モデルを活用して植物プランクトンの増殖抑制効果が高くなる要素を絞り込み、その上で栄養塩類の削減や日光の遮断など、考え得る対策ごとに費用対効果も含めた有効性を検証し、効果的な対策検討を進める。

水野要望:CODの主な要因となっているプランクトンについては、効果的な増殖抑制策が検討されることを期待している。特に上流から下流に流下するにつれて植物プランクトンが増加し、懸濁態CODが上昇することで水質が悪化していることが考えられている。流下に伴い、溶存態CODはほぼ横ばいだが、手賀沼中央の下流では懸濁態CODは約倍になっていることが調査でわかっていることから、沼を取り巻く諸条件の変化が水の流れや水質に影響を及ぼしている可能性も示唆されているので、沼の環境条件を加味した調査を要望する。

その他、水野ゆうきの手賀沼の環境保全に関する活動

●2015年7月30日 平成27年度手賀沼水環境保全協議会通常総会出席

●2017年3月8日 印旛沼水質保全協議会・手賀沼水環境保全協議会共催勉強会出席

●2017年7月19日 平成29年度手賀沼水環境保全協議会通常総会出席

●2018年5月26日 平成30年度手賀沼水環境保全協議会通常総会出席

●2018年6月2日 『美しい手賀沼を愛する市民の連合会』の総会記念講演会参加

●2019年1月28日 「印旛沼・手賀沼水環境保全協議会共催勉強会」出席

●2019年5月9日 平成31年度手賀沼水環境保全協議会通常総会出席

●2019年7月8日「水の館」(我孫子市)で開催された湖沼の外来水生植物対策に関する最新情報交換会に参加

●2020年12月27日 千葉県環境審議会(水環境部会)

●2021年8月5日 千葉県環境審議会(水環境部会)にて審議

●2021年10月25日 千葉県環境審議会(水環境部会)にて審議

●2021年11月29日 学生と手賀沼の環境保全に関する勉強会

●2022年3月 千葉県環境審議会(水環境部会)

 

●2022年5月9日 手賀沼視察~外来水生植物・ゴミ問題~

 

●2022年6月16日 手賀沼クリーン清掃

 

●2022年8月 千葉県環境審議会(水環境部会)

 

●2022年8月 インターン生とともに手賀沼調査視察①

 

●2022年8月 インターン生とともに手賀沼調査視察②

 

●2022年8月 市民団体による湖沼における外来水生植物防除事業

 

●2022年10月 手賀沼清掃