深刻化する教員不足と多忙化解消

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現状

教員が産休・育休や病気・介護休暇に入った際に、代わりの教員が間に合わないケースが千葉県で発生しています。
水野ゆうきは教職員の定数改善を要望するとともに、代替教員不足と教職員の未配置改善に取り組み、講師登録者の確保と採用告知の手段改善に努めます。地域の人材を積極的に活用し、教職員の多忙化や代替教員不足の解消へと取り組みます。

【令和5年度当初予算における教員不足解消に向けた緊急対策】
●わかりやすい採用案内のリーフレットやポスター、動画等の制作
●新卒者向け、既卒者、転職者向けの教員情報提供
●教員に興味のある高校生、大学生へのアプローチ
●働き方改革支援
●千葉大学等との協働による教員志願者の拡大と学生の育成
●教員の負担軽減を図り、教材研究や授業準備に注力できるよう、事務作業等を補助する会計年度任用職員(スクールサポートスタッフ)について、小中学校341人、特別支援学校29人を配置
●業務改善に向けた調査による改善可能な業務の洗い出し

水野ゆうきの活動

2019年2月定例県議会予算委員会質問~スクール・サポート・スタッフの配置

千葉県における公立小・中学校教職員の休職者等の人数は合計1,147人(平成30年5月1日)。休職者の代替講師が未配置の学校もあります。講師確保に向けた取り組みなどの質疑を行いました。

水野質問:教育現場の環境改善と質の向上についてお伺いをしてまいります。子どもたちが大半の時間を過ごし、成長過程で多大な影響を及ぼす教育現場の環境改善や質の向上は非常に重要であるということは言うまでもありません。今回の当初予算におかれましては、県立学校のエアコン整備及び保護者負担により設置をされました普通教室の空調のリース料を県負担に切りかえるなどして9億1,700万円が計上されております。また、教職員の執務環境の改善のために職員室等にも空調が整備をされるということでございます。

2019年2月定例県議会にて予算委員会に登壇する水野ゆうき

このように環境が改善されていく一方で、昨今、授業に英語教育やICT教育が入ってきたこと、そして部活動指導、また社会状況の変化等を背景といたしまして、学校教育におけます課題も一層複雑化、多様化してきていることから、教職員が多くの業務を抱え、なり手不足や代替講師の未配置などから教員の多忙化は全国的に問題となっております。

お伺いしてまいります。公立小中学校教職員の休職者数の人数は現在どのようになっておりますでしょうか。

教職員課長答弁:平成30年5月1日現在で、千葉市を除く県内公立小中学校の校長、教頭、教諭等の休職は74人、療養休暇は86人、看護休暇は14人、出産休暇は218人、育児休業は755人となっております。

水野質問:合計で何名でしょうか。

教職員課長答弁:手元に資料がございません。すみません。

水野質問:今、、足してみると・・・・1,147人です。1,147人ということですので、この数の代替講師というのが必要になってくるということになります。

そこで、教員の未配置についての質問に移らせていただきます。今申し上げましたとおり、千葉県内においては産休や育休、急な療養休暇等による代替教員の確保が都市部のみならず、郡部においても困難になってきております。代替教員の確保は喫緊の課題として取り上げられております。休職者等の代替講師が未配置の学校があると聞いておりますが、講師の確保に向けてどのように取り組んでいくのでしょうか。

教職員課長答弁:講師の確保をより一層進めるため、今年度より、65歳を超える方も健康で意欲があれば任用できるよう年齢要件を緩和いたしました。また、講師登録者の利便性向上のため、スマートフォンなどを利用した登録を可能とするとともに、県内外の新たな人材を発掘するため、全地区一斉の講師採用説明会を開催いたしました。

水野質問:年齢要件の緩和、それからスマートフォンの利用等ということで、このスマートフォンの利用によって、増えているとは聞いてはいるのですけれども、やはり代替講師に関しましては、教員免許を保持する方でなくてはならないということで、特に臨時講師というのは単年度での採用で、現場では依然として優秀な臨時講師が確保できていないという現状も現場から聞いております。結果、人手不足となってしまいまして、一人一人の教員の負担がふえてしまい、多忙化が加速をしてしまうというような現状があります。

そこで、千葉県は教員の負担軽減のためにスクール・サポート・スタッフを配置しておりますが、今後、このスクール・サポート・スタッフに関しまして、どのように展開をしていかれるのでしょうか。

教職員課長答弁:今年度よりスクール・サポート・スタッフを小、中、特別支援学校22校に配置し、資料の印刷、提出物の確認など、教職員の事務作業を代行していただいております。当初予算におきまして、スクール・サポート・スタッフの配置を120校に拡充できるよう予算措置しております。

水野質問:今後120校に拡大をしていくということで、今回の当初予算におきまして、教員の多忙化対策の推進として1億3,700万円が計上されておりまして、その中にスクール・サポート・スタッフの配置と部活動指導員の配置に対する助成ということになっていると思います。スクール・サポート・スタッフの来年度に向けた配置の考え方はどのようになっておりますでしょうか。

教職員課長答弁:各市町村教育委員会からの要望を踏まえつつ、大規模校や小規模校、都市部や郡部など、全県的なバランスに配慮しながら配置校を決定していく予定でございます。

水野質問:スクール・サポート・スタッフは各市町村からの要望を踏まえて予定をしてるということですけれども、平成31年度におかれましては、小中学校110人、特別支援学校10人を予定していると聞いております。スクール・サポート・スタッフなんですけども、人材はどこに求めていくのでしょうか。

教職員課長答弁:今年度は退職教員や児童生徒の保護者など、地域の方にスクール・サポート・スタッフとして活躍していただいております。今後も各市町村教育委員会と学校が連携し、人材の発掘に努めてまいります。

水野要望:スクール・サポート・スタッフなは基本的に授業や会議の準備など、教員の事務作業を補助するスタッフということで、地元からも大変助かっていると聞いております。ぜひ今後引き続き展開をお願いしたいと思いますし、今、地域から人材をということもありました。地域の方々、子どもたちと触れ合って、本当に良い時間、有意義な時間を過ごせるとも思っておりますので、ぜひ引き続き地域の方々の人材を活用できるような体制にしていただきたいと思います。

2019年6月~2020年6月 文教常任委員会所属

2期目の1年目は教育問題に力を入れるために文教常任委員会に所属。

令和元年度教育功労者授賞式出席

千葉県の教育に多大なる功績を挙げられた個人93名、団体22団体が表彰されました。誠におめでとうございます。

2019年12月定例県議会文教常任委員会質疑~講師未配置問題

令和元年11月1日現在の講師未配置数は158人
本年の5月には40人でしたので、急激に増えていることは否めません。
一般質問での答弁によると今年度の講師の未配置数は増加傾向にあり、その原因として療養休暇等の取得者増加が原因とのことです。

先生方が休暇を取得しやすくなったことは良いことです。一方で、講師が未配置となることで学校現場に影響が出てしまい、講師の確保は県教委として急務の課題であるわけです。

県教委では未配置解消のために講師の登録説明会を3会場から6会場に増やし、SNSを活用した講師募集を新たに行いはじめ、講師登録者数は増えてはいるものの、現実として未配置が増加してしまっています。

水野ゆうきの質問に対し、県教委は講師登録者の中に既に別の仕事に就いていたり、必要とする免許をもっている者がいない等の理由から任用できる講師が不足し未配置となってしまっている状況と捉えているとのことで、県教委は講師登録会を教員採用説明会と同時開催したり、各地区の講師募集情報をSNSで発信するなどという方策を取るとのことでした。
定数是正等、根本的な解決に向けて、水野ゆうきは引き続き取り上げていきます。

2020年2月定例県議会文教常任委員会質疑~教員の精神疾患等による療養休暇の対応

教員の多忙化やICT教育等をはじめ時代とともに教材も授業も変わっていく中で、教員の負担も大きくなっています。うつ病等精神疾患で療養休暇を取得した教員の人数は特に小中学校にて増加しています。複雑な社会背景もあり、実際に不登校児童生徒数も増加しているように、児童生徒と向き合う教員が精神的に追い詰められてしまうケースがあります。児童生徒が多くの時間を過ごす学校において、児童生徒と向き合い、指導する教員の皆さんの心身の健康はとても大切なことです。

 ≪うつ病等精神疾患で療養休暇を取得した教員の人数≫

【平成29年度】
●小学校 89人
●中学校 60人
●高等学校 25人
●特別支援学校 19人

【平成30年度】
●小学校 100人
●中学校 54人
●高等学校 21人
●特別支援学校 21人

【令和元年度】
●小学校 132人
●中学校 70人
●高等学校 21人
●特別支援学校 34人

※教員:事務職員、栄養職員を除く ※政令指定都市の千葉市を除く
※小中学校は療養休暇21日以上、高等学校・特別支援学校は療養休暇30日以上を取得した教員数
※一度復帰した後、同一年度内に2回目の療養休暇に入った場合は、二人でカウントした人数

水野質問:小・中の療養休暇取得者が、増加傾向にある理由は何か。

県教委答弁:仕事上の悩みや人事異動等による環境の変化、家庭の事情など、様々な要因が複合的に関係しているものと考えている。

水野質問:今後、男女比や年齢層、勤務年数なども分析して、的確なアプローチが必要であるため、現状把握に努めてもらいたい。療養休暇を取得している教員に対して、どのようなフォローをしているのか。

県教委答弁:県教育委員会では、管理職等に対し、心の不調者に対しての接し方や円滑な職場復帰に向けたケアの大切さなどを伝える、メンタルヘルス研修会を行うことにより、療養休暇者に対し、適切な対応ができるよう努めている。

水野要望:もちろん研修会等もやっていることは承知をし、様々な取り組みをしているが、一度復帰したあとも同一年度内に療養休暇に入る方もいる中で、療養休暇を取得していた本人が職場復帰できる環境整備をし、また復帰した際、周囲も理解することが必要。このあたりにも目を向けて教員へ的確で適切なフォローをお願いしたい。

≪2023年2月1日現在、うつ病等精神疾患で休職中の教員数≫

小学校 92人
●中学校 44人
高等学校 34人
特別支援学校 27人

2022年2月定例県議会代表質問~コロナ禍における学びの保障と教員の負担軽減策~

千翔会質問:教育現場における感染症対策についてです。第5波のデルタ株と第6波のオミクロン株の大きな違いの1つは、感染力の強さでもあります。オミクロン株は爆発的に感染が急拡大し、陽性者数はあっという間に倍増していきました。圧倒的に陽性者の数が増え、また子供たちへの感染も広がっているのが特徴です。こうしたオミクロン株の特性もあり、全国的に教育現場においてクラスターが相次ぎ、休校等の措置がなされています。先月、陽性者が急激に増えた欧州では、教職員の感染も多く授業が成り立たず、教員がストライキを実施する事態まで発展しています。子供たちのみならず、教える側の教職員の間で感染が拡大することも十分に考えられます。

新型コロナウイルス感染症等により複数の教職員が出勤できなくなった際、学びの保障はどのように行うのか。

県教委答弁:新型コロナウイルス感染症対策について、複数の教職員が出勤できなくなった際の学びの保障に関する御質問です。

県教育委員会では、新型コロナウイルス感染症拡大時など、あらゆる状況において学校が教育活動の継続と児童生徒の学びの保障に努めることが重要であると考えています。感染が拡大した本年1月には、教員が複数出勤できない状況に備えて教員同士が円滑に事業の代替を行えるよう、事業の進捗状況を校内で共有しておくことや、1人の教員が複数の学級に対して同時にオンライン授業を実施できるよう準備をしておくことなど、校内体制を整えるよう通知しています。さらに、万一休校等になった場合でも対応可能な教員による授業配信等がスムーズに実施できるよう、各教科の授業動画や教材を作成し県ホームページに公開しており、その活用を促すことで児童生徒の学習が継続するよう努めてまいります。

千翔会質問:教員の負担軽減策についてです。学校における感染及びその拡大リスクを可能な限り低減した上で、学校運営を継続していく必要がある中で、平時においても多忙化が指摘されている教員に関しては、新型コロナウイルス感染症の影響により感染防止対策の業務が加わったことで、さらなる負荷がかかっていることは容易に想像することができます。

そこで、千葉県では授業、行事、会議等の準備や片づけなどの業務を担うスクール・サポート・スタッフを配置し教員の負担軽減を図っているところです。児童生徒の安心と安全を確保しつつ学校教育活動の継続をするために、今後、スクール・サポート・スタッフの配置を含めた教員の負担軽減策を推進していくことは、教員はもとより、子どもたちを守ることにもつながります。
感染症防止対策を行う教員の負担軽減策はどうか。

県教委答弁:次に、感染症防止対策を行う教員の負担軽減策についての御質問です。県教育委員会では、教員の負担を軽くし、授業に注力できるようスクール・サポート・スタッフを配置しており、資料の印刷作業や簡単な採点などに加え、感染防止対策として、校内の消毒作業や児童生徒の検温、欠席連絡への電話対応なども行っています。令和3年12月に配置校に対して実施したアンケートでは、消毒業務等の職員の負担が減り子供たちに目を向ける時間が大幅に増えた、放課後の時間を有効に活用できるようになったなど、大変効果的であるとの意見を多くいただいています。

スクール・サポート・スタッフの配置については、国の補助事業を活用し、令和4年度も小中学校190校と特別支援学校29校に配置することとしておりますが、さらなる充実を国に要望しているところであり、今後も現場の状況を踏まえながら教員の負担軽減を図ってまいります。

2022年6月定例県議会代表質問~未配置問題~

2022年6月議会にて代表質問に登壇する水野ゆうき

水野質問:教師不足について伺います。新年度がスタートする始業式や入学式に本来配置するべき教員が配置されていない学校が東葛飾教育事務所管内で多数発生しております。この状況は、子どもたちや教職員への影響は計り知れないものと考えます。また、県教育委員会は、教職員の働き方改革を進めているところですが、欠員が生じている学校の教職員は、本来配置されるべき教職員の事務を担うこととなるため、勤務時間外での業務が生じることは言うまでもありません。

昨年5月1日時点の未配置は、小中学校合わせて124人で、今年は184人と未配置が増えている状況であり、現場からは早期改善の声が寄せられております。教員志願者数が減少している中で募集人数を増やすことは困難であり、県としても昨年度より未配置が増加している原因を分析し、教師不足を解消していくことは喫緊の課題であると認識をしております。

教師不足の状況を解消するための新たな解決策をどのように考えているのか。また、現在の未配置状況を早期に解決する手だてはあるのでしょうか。

冨塚教育長答弁:教師不足についての御質問ですが、未配置の原因としては、教員志願者の減少や産休・育休代替講師の必要数の増加等が挙げられます。県教育委員会では、職業選択の早い段階から教員を志してもらえるよう、高校生、大学生に教員の魅力を伝える出前講座を令和3年度は133回実施し、さらに今年度からは大学の新入生を対象とした特別講座を新たに開始しました。

また、退職者に個別に電話連絡をして再任用や講師登録を依頼するほか、市町村教育委員会と連携した講師登録説明会を県内各地で開催し、一人でも多くの人材を確保するよう努めているところです。加えて、7月からの教員免許更新制の廃止に伴い、免許が失効した方や免許を持ちながら教職に就いていない方も任用しやすくなることから、広報紙やSNS等により制度の改正を広く周知し、講師登録者の増加を図るなど今後とも様々な方策により未配置の解消に取り組んでまいります。

水野要望:教育について、こちらは教師不足について要望いたします。熊谷知事が関東地方知事会でも要望されておりますが、国から措置される加配定数について、配置や活用条件をつけることなく、多様な働き方を選択して柔軟な活用ができるように、制度の見直しについてぜひ引き続き国に働きかけていただきたいと思います。

また、欠員状況の多い教育事務所管内からの県教育委員会への出向者数を減らすなど、やはり現場を手厚くしていただきたいと思います。