里親等による家庭的養護の推進
現状と課題
社会的養護とは、保護者のいない子どもや、保護者に監護させることが適当でない子どもを、公的責任で社会的に養育し、保護するとともに、養育に大き な困難を抱える家庭への支援を行うことです。保護者のない児童、被虐待児など、家庭環境上養護を必要とする児童は約4万5千人です。原則として家庭養護を優先し、施設養護もで きる限り家庭的な養育関係に変える必要があるとされました。
しかしながら、実態としては施設入所が多く、里親登録は年々増加しているものの、里親等委託率の目標を達成するためにはさらに増やしていく必要があります。
また、里親の養育技術の向上を図るための研修の実施や支援の充実が重要です。
【千葉県の現状】
里親委託と登録の状況(令和3年3月31日時点)
里親登録と委託の推移(令和3年3月31日時点)
里親等委託・乳児院・児童養護施設への入所児童数と割合
千葉県の目標
社会的養護を必要としている子どもの最善の利益を実現するため、千葉県では
- 施設の小規 模化・地域分散化と里親等の推進
- 専門的ケアの充実
- 子どもの自立支援の充実
- 家族関係支援及び地域支援の充実
- 子どもの権利擁護の推進
に取り組むこととしています。
目標
水野ゆうきの活動
2015年7月1日『こども@ホーム』を設立
児童養護(社会的養護)に対する知識・解決策を共有するために、事業者・当事者/地域住民/有識者/政治家・議員/行政のネットワークとして設立されました。 定期的に会議とイベントを行っています。
2015年8月22日イベント開催
「すべての子どもたちに、温かい家庭を!」発足記念特別イベントを開催し、ゲストに「愛知方式」の発案者である元児童相談所職員・矢満田篤二氏と「親が育てられない子どもに家庭を!里親連絡会」事務局長の竹中勝美氏をお迎えし施設措置が中心となっている児童養護の問題点を考察。100名以上にお越しいただきました。
2017年2月千葉県議会一般質問にて質問と要望
里親制度の推進について
水野質問:里親登録数や委託児童数など、千葉県の里親制度の現状はどうか。また、現状に対する県の認識はどうか。
県答弁:平成26年度末の里親登録数は412組、そのうち委託里親数は141組、委託児童数は204人であり、里親等委託率は全国平均の16.5%に対し、20.1%。
平成41年度までにおおむね里親委託を30%にする計画。
里親制度は特定の大人との愛着関係が築かれ、安心感、自己肯定感、基本的信頼感を育むことができ、子どもの健全な育成を図る有意義な制度である。
水野質問:委託後の里親と子どもに対して、どのような支援を行っているのか。
県答弁:里親からの養育相談に応じる里親対応専門員を各児童相談所に配置するとともに、担当のケースワーカーが里親家庭に訪問して里親と子どもの状態の把握に努めている。
日々の養育の悩みなどを話し合う里親サロンの開催や、里親家庭へ訪問して養育に関する助言や支援を行う里親委託等推進員の配置、養育技術習得のための研修の開催など、里親の支援体制の構築に取り組んでいる。
水野質問:更なる里親制度の推進のため、里親制度の普及啓発や新規里親の開拓にどう取り組んでいくのか。
県答弁:ホームページ等を活用した広報や毎年10月の里親月間に県民向けシンポジウムを開催。今後は、里親制度をより身近に感じてもらえるよう、週末里親や季節里親の取組を促進する。
また、他の自治体で実施されている市町村単位でのシンポジウムや里親の体験発表会の取組等を参考にしながら千葉県里親会等の関係団体と連携し、効果的な普及啓発の方法について検討していく。
水野要望:里親登録にかなりの時間を要することから、登録数を増やすためには手続きを見直すべきである。研修や実習の機会を増やし、登録までの時間短縮に努めてほしい。
ファミリーホーム視察
千葉県内で9番目となる印西市のファミリーホームを視察。
こちらでは多くの里子を預かっています。里親さんたちのお話しや生の声を聞き、千葉県における里親制度の現状や課題を協議しました。
2017年2月千葉県議会一般質問にて質問と要望
里親制度推進と特別養子縁組あっせん法:悪質業者を排除!
養子縁組が普及し家庭的養護の養育が一般的な欧米諸国と比較すると日本は対照的で、社会的養護を必要とする子ども4万6000人以上いる中で、うち約9割は乳児院や児童養護施設等の施設で暮らしており、家庭養護は1割程度にすぎません。
日本では望まない妊娠や貧困、精神疾患等で2週間に1人、赤ちゃんが虐待死しているのが現状で、さらに乳児院は子どもが3000人程度入所している中で、平成27年度の特別養子縁組成立462件という数字を見ても、もっと多くの特別養子縁組が必要とされていることがわかります。
こういった状況下で、養子縁組のあっせんを民間事業者が一部担い、特別養子縁組のうち3割以上を民間の特別養子縁組団体が支えているのですが、一部の民間事業者が夫婦から不当に金銭を受け取ったり等の悪質業者が現れる問題が発生。このような状況を打破するために単なる「届出制」であった特別養子縁組事業を「許可制」に変更する法律が特別養子縁組あっせん法です。許可なしに特別養子縁組あっせんを行った場合、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金が課せられます。
千葉県においても事前に養親希望者から金品を支払わせることにより優先的にあっせんするなどの不当な行為を行った民間養子縁組あっせん事業者(「一般社団法人赤ちゃんの未来を救う会」停止処分により事業廃止)が発覚!!
一般質問で取り上げた後、3月8日に千葉県警は児童福祉法違反の疑いで逮捕しました。あっせん業者の逮捕は全国初。
しかしあっせん法が施行されるのは、公布の日から2年以内となっており、その間は届け出制が継続されることになります。千葉県からはその間に不適切な運営が確認された場合にも、躊躇なく法に基づき厳正に対処するとの確約を得ました。
また里親制度推進策については、千葉県では里親委託率を向上するにあたり里親登録数を増やすことを課題とし、毎年里親月間の10月に千葉県里親大会を開催していますが、平成29年度は地域に出向いた里親制度説明会開催を検討するという新たな取り組みが公表されました。
平成29年度新事業開始:千葉県内6児童相談所管内毎に里親説明会を実施
2017年2月千葉県議会一般質問にて水野ゆうきから里親制度推進策について質問と要望を行い、千葉県では里親委託率を向上するにあたり里親登録数を増やすことを課題とし、毎年里親月間の10月の千葉県里親大会以外にも、平成29年度は地域に出向いた里親制度説明会開催を検討するという新たな取り組みが公表され、実施されました。
里親の新規開拓及び地域住民における里親制度への理解を深めてもらうことを目的とし、千葉県は県内6児童相談所管内毎に里親説明会を実施し、193名が参加。
説明会では里親希望者だけでなく、市町村等の関係機関の職員も参加し、地域全体で里親制度への理解の促進が図られました。
2018年2月千葉県議会予算委員会にて質問と要望
予算委員会の委員として、「乳児院の展開と里親制度の推進について」取り上げました。新規事業の出前の里親説明会の開催などの効果から、里親登録数は確実に増えました。千葉県行政としても効果的な広報の要望を継続して行い、里親制度の理解と普及は確実に前に進んでいます。
乳児院の展開について
水野質問:千葉県家庭的養護推進計画では、里親等による家庭的養護を推進していくことになっている。社会的養護を必要とする子供の数はどうなっているか。
県答弁:
童養護施設や乳児院に入所している児童→801人
里親やファミリーホームに委託されている児童→261人
合計1,062人(平成28年度末現在)
水野質問:千葉県乳児院の廃止に伴い、新たに民間の乳児院が新設されたが、千葉県における乳児院の現状はどうなっているか。
県答弁:県では平成29年5月に開所した2施設を含め7施設を所管しており、平成30年2月1日現在で定員118名のところ93名が入所。
水野質問:従来の施設養護では、多数の職員が多数の子どもを養護する体制であった ため、子ども一人ひとりと職員の信頼関係・愛着関係を築くことが難しく、子どもの心のケアを十分に行えていないことが指摘されていた。新設された乳児院の運営体制はどうなっているか。
県答弁:新設の乳児院は、緊急時の医療機関との連携や養育環境の小規模化を基本的な考え方として事業者を選定したところであり、被虐待児や病虚弱児等への対応を強化するとともに、安全で安心な環境のもとで特定の職員と愛着関係を築きながら、健全な心身の発達ができるよう育ちを支えている。
水野要望:乳児院に関しては、是非とも職員の皆さんが赤ちゃん一人ひとりに愛情を注ぐような運営・体制となるようにお願いしたい。
里親制度の推進について
水野質問:千葉県における里親登録数は5年前と比較してどうか。
県答弁:里親数は平成23年度末の341組から平成28年度末までに128組増加し、469組となっている。
水野質問:里親制度の理解・普及に向けた千葉県の取り組みはどうか。
県答弁:里親制度の普及啓発についてはこれまで年1回里親大会を実施していたが、今年度より広報啓発物品を作成し、それを活用した街頭キャンペーンの実施やラジオCMの放送、県内6地域における制度説明会などを実施し、制度の理解・普及に一層力を入れた。
水野質問:里親委託を推進するためにどのような課題があり、今後、県はどのように取り組んでいくのか。
県答弁:里親委託を推進する上では、里親登録数の増加や児童を里親に委託する際、親権者の同意が得られにくいことが課題となっている。このため、里親登録数を増やすための広報だけでなく、制度が正しく理解され、親権者の里親委託への理解を推進するとともに、地域にいる里親家庭が安心して暮らすことができるよう制度の周知に取り組んでいく。
水野質問:制度の理解普及は非常に重要であり、特に里親制度と特別養子縁組を誤解される場合もある。そうした中で正しい知識を県民に伝えていくことは大切で、千葉県では初めて県内6か所の児童相談所でいわゆる出前説明会を行った。来年度も続けてもらいたいという意図で質問するが、児童相談所で開催された里親制度説明会の結果はどうであったか。
県答弁:里親の新規開拓及び地域住民における里親制度への理解を深めてもらうことを目的とし、6児童相談所管内毎に里親説明会を実施し、193名が参加した。説明会では里親希望者だけでなく、市町村等の関係機関の職員も参加し、地域全体で里親制度への理解の促進が図られ、効果的な取り組みであると感じた。
水野要望:この説明会に来てくれている方々は里親になる大きな期待を寄せられることができる。また場所によっては参加者が少ないところもあったので、是非、創意工夫をしながらこの取り組みを続けてもらいたい。
2021年6月千葉県議会代表質問
水野質問:里親やファミリーホームによる家庭養護の推進についてお伺いいたします。児童虐待相談対応件数が増加の一途をたどることで、児童相談所の一時保護件数も増加傾向にあります。一時保護件数の増加とともに一時保護日数も増加しており、DV等の要因で家庭復帰に向けた調整に時間がかかるケースの増加や、里親委託等、子供たちの受皿不足により、千葉県では一時保護が長期化するケースも生じております。親元で養育を受けられない子供たちを保護する受皿の拡充は必須であると考えます。
千葉県では、各児童相談所管内において、里親説明会の開催やユーチューブでの配信など積極的な広報に取り組んでいただき、登録里親数及び里親等委託率は年々増加傾向にあります。今、社会的に養護が必要な子供たちは日本に約4万5,000人とされており、子供たちは自分たちで自分たちの環境を変える力はないので、私たち大人がこの子たちの未来を支えていくしかありません。
里親等による家庭養護の推進に県はどのように取り組んでいくのでしょうか。
滝川副知事答弁:里親等による家庭養護の推進に関する御質問ですが、千葉県における令和元年度の里親登録数は568組、里親等委託率は29.7%となっており、千葉県子どもを虐待から守る基本計画では、令和11年度までに、それぞれ700組、40%にすることを目標にしています。県では、里親制度の普及啓発や各種研修による里親の資質向上、相談、助言などの里親支援に取り組んでまいりました。
昨年度は、新たに里親制度の紹介動画の配信、心理的ケアを要する児童の養育相談に応じる心理訪問支援員の配置などを行い、施策の充実を進めたところです。今年度は6月補正予算案において、ファミリーホームの体制を強化するため、配置基準を上回る補助職員を雇い上げる際の人件費補助に要する予算を新たに計上したところです。これらの取組により、さらなる家庭養護の推進に努めてまいります。
水野要望:里親についての要望ですが、児童と里親のマッチングにギャップが生じるといった課題があります。最善のマッチングをするためには、基本的には委託したい数の3倍の登録が必要と言われています。
さらに、退所後、その子どもたちにとって一番安心できる環境を提案していく中で里親制度というものがあるわけですが、委託後は、多くの方が子育ての壁にぶつかります。児童相談所に保護された時点で心身的に何らかの傷を負っていることは間違いありませんので、適切なマッチングや委託後のケア等の充実もよろしくお願いいたします。
令和4年度予算要望
熊谷知事ならびに吉田特別秘書に対し、里親等の家庭的養護の推進のため、里親制度の更なる広報活動とともに、適正なマッチングや委託後のケア等の充実について要望を行いました。
2022年2月千葉県議会予算委員会
里親制度の充実について
水野質問:里親制度及び養子縁組の推進についてお伺いしてまいります。千葉県家庭的養護推進計画において、千葉県の里親等委託率については、令和11年度までの10年間で40%、登録里親数は700組を目指すこととしております。まず、千葉県における里親登録者数及び里親等委託率の推移と傾向についてお伺いいたします。
児童家庭課長:里親登録者数は、平成28年度の469組から令和2年度は585組と116組の増、里親等委託率は、24.6%から30.6%と6.0ポイントの増であり、ともに増加傾向が続いています。
水野質問:里親の数は増加をしていますけれども、子どもを委託している里親の割合はそこまで増加はしていないという状況も課題の1つとして挙げられます。計画では、令和11年には40%ということですので、未委託里親への委託を進めていく必要があり、里親等委託率の目標達成のため、里親と児童がマッチングしやすくするためには、里親登録をさらに増やしていく取組を行っていくことがまず第一歩になると思います。ただし新型コロナウイルス感染症の影響もあり、周知活動や広報活動も制限がかけられていると推察いたします。
そこでお伺いいたします。コロナ禍において、どのように里親制度を普及啓発し、推進していくのでしょうか。
児童家庭課長:里親制度を推進するためには、普及啓発により里親登録者を増やすことが重要です。今年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の状況を踏まえ、制度説明会の一部や里親大会をオンライン開催としたほか、里親広報番組の放映やイベントのネット配信などにも取り組んでいるところです。
水野質問:オンラインなど様々なツールを駆使して普及啓発に取り組んでいるということですが、里親登録の増加に伴いまして、やはり初めて子供を委託される里親も増えてきています。それに伴って、里親が気軽に子育てに関する相談や、委託された子供を適切に養育することができるように支援を県としても強化していくことが必要だと思います。
里親の相談体制を充実させ、相談しやすい環境整備をすべきと思うが、いかがでしょうか。
児童家庭課長:県では、各児童相談所に里親対応専門員を配置し相談に応じるとともに、児童福祉司による定期的な家庭訪問を実施しています。また、民間団体に委託し、児童養護施設等での養育経験等を有する支援員が里親家庭を訪問し、子育ての悩みなどの相談にきめ細かく応じるなど、相談体制の充実に取り組んでいるところです。
水野要望:各児童相談所で御対応いただいているということですが、私自身も様々な団体や里親の方々からヒアリングをすると、なかなか児童相談所に相談しにくいというような環境があると聞いております。小さなことでも気負わずに、気軽に児童相談所に相談をできるような体制を整えていただきたいと思います。
養子縁組民間あっせん機関助成事業について
水野質問:次に、養子縁組民間あっせん機関助成事業についてですけれども、これは令和4年度から新規事業として始まります。県として、県内養親希望者の負担軽減に向けた支援として、手数料を助成する支援を実施します。この事業は養子縁組民間あっせん機関経由で養子縁組する場合であり、この手数料というのは、全国平均では約90万円ということですから大変助かるというふうに思っております。
そこで伺います。養子縁組民間あっせん機関助成事業が積極的に活用されるように、県ではどのように周知に取り組んでいくのでしょうか。
児童家庭課長:県では、助成事業が積極的に活用されるよう、県ホームページで事業をお知らせするとともに、市町村や全国の民間あっせん事業者等、幅広い関係機関への通知のほか、既に民間あっせん事業者を利用して特別養子縁組の手続を進めている養親希望者に確実に制度が利用されるよう、個別の周知も行うこととしています。
水野質問:個別の周知も行うということですが、一人でも多くの子供が家庭の中で暮らしていけるように、養親希望者に丁寧な周知をお願いしたいと思います。
民間の養子縁組の成立については数字は出てきませんので、民間あっせん機関経由ではなく、児童相談所経由の養子縁組成立についてお伺いをいたします。
養子縁組の成立に伴って、児童相談所が施設入所措置や里親委託を解除した件数はどうなっておりますでしょうか。
児童家庭課長:令和元年度におきまして、養子縁組の成立に伴って入所措置や里親委託を解除した件数は、乳児院で普通養子縁組3件、特別養子縁組1件、里親委託では特別養子縁組7件となっています。
水野質問:厚生労働省によりますと、特別養子縁組の成立件数は、平成28年が495件に対して令和元年は711件と大きく増加傾向にありますので、ぜひとも養子縁組里親の支援もお願いしたいと思います。
そして、この民間あっせん機関による養子縁組のあっせんに係る児童の保護等に関する法律の公布に伴いまして、平成30年4月1日以降から千葉県内で養子縁組のあっせん事業を行うには県の許可が必要となりました。これは届出から許可になったものですけれども、私も当時一般質問で取り上げましたが、2017年に特別養子縁組を希望する夫婦に営利目的で乳児をあっせんしたとして、全国で初めて千葉県警が児童福祉法違反の疑いで養子縁組あっせん業者を逮捕したという事件がありました。
そこで伺います。養子縁組あっせん法により、従来都道府県などへの届出から審査が必要な許可制へ変更されたが、罰則を課したり不許可となった例はあるでしょうか。
児童家庭課長:現在、千葉県が所管する民間あっせん機関は1か所となっています。許可制度に移行した後、罰則を課したり、不許可となったりした事例はありません。
水野質問:養子縁組のあっせんをする民間事業者の質の向上を目的とした法律が施行されて以降、今まで以上に行政が積極的に関わることができる仕組みとなりましたので、許可に当たっては、今後もぜひしっかりと慎重にしていただきたいと思っております。
そこで、昨年の夏です。東京都による許可の審査を受けていた一般社団法人が、東京都が求めた帳簿の引継ぎも完了せずに突然連絡が途絶え、業務を放棄する事態が発生いたしました。東京都の事例のように、特別養子縁組あっせん団体が廃業となった際、養子の出自や記録はどのように担保されるのでしょうか。
児童家庭課長:法律により、民間あっせん機関は、許可を取り消されたとき、事業を廃止しようとするときは、その保存する帳簿を都道府県知事または他の民間あっせん機関に引き継がなければならないとされております。
水野要望:そういうことになっていますが、この廃業した団体は、2009年の事業開始後、300人以上のあっせんを手がけており、養親の下で成長した子供が出自に関する情報を知ろうとしたときに影響が出る可能性があるとのことで、養親が東京都に情報引継ぎの要望書を出すなどの働きかけを行うなど、大変な状況になりました。
現在は元代表理事が全て持っていた文書を都に提出したとのことですけれども、児童相談所ではなく、民間あっせん機関において養子縁組をする場合、民間の運営費というのは大半が養親の負担する手数料で賄われており、県が始める新規事業というのは、この費用の助成をする新規事業となりますので、ぜひともきめ細かくチェックとフォローをお願いします。
2022年3月 里親のもとで暮らす高校生とディスカッション
里子・里親支援の一環で里親のもとで暮らす高校生の皆さんと「将来の夢」について講師としてディスカッションしました。
「これまでたくさんの方々にお世話になったので恩返しできる仕事をしたい」「子どもたちに寄り添える仕事をしたい」「社会貢献したい」と明確に自分の夢を語っていたことに感銘を受けました。 一人一人が持つ経験と強さ、ときには弱さを活かして、優しい社会になることを期待することができました。
また、団体の皆様や里親をされている方々からは、体験をもとに現在の行政の課題等について色々と話し合うことができました。
皆様との交流の中で、自分の立場で改善できるように尽力していきたいと強く思っており、これまで県議当選以降は里親制度の普及啓発や里親・里子支援に取り組み、幾度となく議会で取り上げてきました。引き続き、当事者の声を着実に反映していけるように取り組んでまいります。
令和5年度予算要望
本県における登録里親数及び里親等委託率は年々増加傾向にありますが、児童と里親のマッチングにギャップが生じるといった課題もあることから、適正なマッチング及び委託後のケア等の充実について、熊谷知事に要望活動を行いました。