現状と課題
千葉県の人口は今後減少していく一方で、受療率の高い75歳以上人口は増加し、医療需要は増加していくと見込まれています。
千葉県は医師少数県とされ、医師総数の不足が懸念されていることに加え、二次保健医療圏ごと、診療科ごとに状況は異なり、医師の地域偏在や診療科偏在も課題です。
特に産科や小児科は医師確保が困難な状況であり、千葉県及び熊谷知事に対して予算要望や議会質疑等を通じて補助制度等の充実を求め、着実に改善に結びつけています。
少子高齢化の進展が見込まれる中、限られた医療・介護資源を効果的・効率的に活用し、県民が地域において安心で質の高い医療・介護サービスが受けられる医療提供体制の確立がますます重要になっています。
理解を深めていただくための知識
都道府県が医療政策を立案するために、1次、2次、3次の医療圏を設定しています。
1次医療圏
診療所などの外来を中心とした日常的な医療を提供する地域区分で、原則は市区町村が中心となります。
2次医療圏
複数の市町村で構成しており、救急医療を含む一般的な入院治療が完結するように設定した区域です。
3次医療圏
重度のやけどの治療や臓器移植など特殊な医療や先進医療を提供する単位で、北海道を除いて各都府県がひとつの区域となっています。
- 1次医療圏:市町村単位(主に日常的な診療・かかりつけ医)
- 2次医療圏:複数の市町村(都道府県内)(入院・一般的な手術)
- 3次医療圏:都道府県単位(高度・専門的な医療)
千葉県の二次保健医療圏と保健所の区割り図


産科・小児科の医師確保は深刻な状況であることから、医師全体の確保に関する事項とは別に、分娩取扱医師(産科から変更)及び小児科医に限定した取り組みが求められています。
千葉県における小児医療従事医師数は703人であり(令和2年現在)、小児人口10万対で95.5と、全国平均119.7を大きく下回っており、県全体の小児科医数が不足しているのみならず、地域による小児科医の偏在がみられます。
千葉県小児科医会の調査によると、小児の病床数は平成28年度に956床であったのに対し、令和5年度には862床と大幅に減少しています。
小児科医の不足や地域偏在などにより、一部地域では小児救急医療体制の確保が困難な状態です。
分娩取扱医師については東葛北部ならびに香取海匝保健医療圏、小児科医については東葛北部・南部、山武長生夷隅、君津医療圏が相対的医師少数区域となっています。
特に東葛北部医療圏は小児医療に対する高い需要が続く中、令和5年に小児人口当たりの 小児科医師数を基に国が発表した指標によれば、全国303医療圏中236位となり、 小児科医が相対的に少ない医療圏として位置付けられています。
さらに令和6年度から医師の時間外労働の上限規制が適用開始となったことが追い打ちをかけ、我孫子市をはじめ自治体によっては学校医や保育園医にまで影響がでてきていることから、水野ゆうきは喫緊の課題として千葉県に対し補助メニューの創設・充実を求めており、地域における小児医療の維持・確保等、適切な医療提供体制を整備する必要があります。

水野ゆうきの取組状況
●令和5年度当初予算要望:熊谷知事
●令和6年度当初予算要望:熊谷知事
●令和6年度6月定例県議会会派代表質問
24:55 地域医療問題について (働き方改革による医師や看護師の確保、小児科医不足への対策)
●令和7年度当初予算要望:熊谷知事
●令和6年度2月定例県議会会派代表質問
11:06 東葛北部医療圏における小児科医不足
●令和7年度6月定例県議会会派代表質問
33:54 小児科医不足について
●令和7年12月定例県議会会派代表質問
●令和8年度当初予算要望:熊谷知事
千葉県の令和8年度事業
小児診療対応医師確保総合対策事業
●相対的医師少数区域における小児科医確保緊急支援事業 20,000千円
相対的に小児科医が少ない区域内の中核的な医療機関における県外からの小児科医確保を支援。
対象施設:相対的に小児科医が少ない区域における以下のいずれかの医療機関
- 小児の2次又は3次救急を担う医療機関
- 周産期母子医療センター(新生児科)
対象経費:県外から小児科医を確保するために要する給与の上乗せ費用
基準額等:基準額 1人あたり3,000千円/年・補助率 2/3
●小児診療に新たに取り組む医師等への支援 6,000千円
新たに小児の外来診療を行う医療機関の医師等が小児診療に必要な知見や技術を習得するために要する経費を助成。
対象施設:新たに小児の外来診療を始める医療機関
対象経費:研修受講料、旅費、専門書籍購入費 等
基準額等:基準額 1人あたり500千円/年・補助率 10/10
●医師修学資金貸付事業における小児科医志望加算枠 4,800千円
医師修学資金の貸付者のうち、小児科医を目指す大学在学中の医学生に対し貸付額の加算の実施。
貸付対象:貸付者のうち将来的に小児科医を希望する4年次以上の学生 (東葛、山武長生夷隅などの小児科医の不足する医療圏への就業が条件)
●小児科医に関する卒前支援プロジェクトの実施 1,300千円
医師キャリアアップ・就職支援センター事業において、小児科を希望する医学部生に 向けた支援を実施。
- 小児科病院見学バスツアー 300千円
- 医学生向け小児科セミナー 1,000千円
水野ゆうきの実績
小児科医不足解消のため、我孫子市・千葉県でそれぞれ補助のメニューを準備しており、我孫子市では「我孫子市小児科診療所等開業促進補助金」を活用して、天王台地区に小児科診療所の「聖医院」が開業し、千葉県の支援事業を活用して我孫子聖仁会病院に小児科が新設されました。今後、新たに2か所の小児科が開院に向けて準備を進めています。我孫子市においては地域に根差していた小児診療所が閉院するなどといった状況もあり、我孫子市と相談しながら千葉県に支援を求めて実現した政策です。
我孫子市、千葉県のメニューを活用して小児医療体制が整備・強化されるよう、引き続き子育て世帯にとって安心できる地域医療提供体制の構築に努めていきます。
千葉県内の何処に住んでいても、平等な医療が受けられることが理想ではありますが、千葉県は医師少数県であり、特に医師の地域偏在は喫緊の課題です。これまで医師との意見交換等をする中で、継承・開業等の難しさを認識しました。
厚生労働省は令和6年12月に「医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージ」を公表し、人口減少よりも医療機関の減少が著しい地域を「重点医師偏在対策支援区域」に設定しました。千葉県では、山武長生夷隅医療圏と君津医療圏がこの支援区域に選定され、医師確保に向けた集中対策が実施されます。

水野ゆうきの取組状況
●令和3年6月定例県議会会派代表質問
26:00 医療提供体制について(県内医療格差是正のための対策)
●令和5年度当初予算要望:熊谷知事
●令和6年度当初予算要望:熊谷知事
●令和7年2月定例県議会予算委員会
●令和7年12月定例県議会会派代表質問
●令和8年度当初予算要望:熊谷知事
千葉県の対応と実績
●医師少数区域等での一定期間の勤務を義務付ける修学資金の貸付け
●地域医療を担う医師を育成するため千葉大学医学部に寄付講座を設置
●医師少数区域等に医師を派遣する医療機関に対する助成
●医師少数区域で一定期間勤務し、国から認定された医師が勤務継続できるように経済的支援を実施
重点医師偏在対策支援区域における診療所の承継・開業支援事業については、県ホームページに掲載するほか県医師会等関係団体に協力を依頼し、2025年4月から複数回にわたり募集した結果、山武長生夷隅保健医療圏において診療所開設者1名から申請があり、千葉県では交付に向けて事務手続きを進めているところです。
持続可能な医療提供体制の構築に向け、医師偏在の是正に努めていきます。
病床配分は地域医療構想に基づき、将来の人口推計や受療率から算定された「必要病床数」を基盤とし、高度急性期・急性期・回復期・慢性期の機能分化と連携を推進する考え方によって配分されます。各医療圏における需要と不足機能を考慮し、基準病床数の範囲内で適正な配置を目指していますが、新型コロナウィルス感染症の契機として、我孫子市を含む東葛北部医療圏の病床数の少なさが浮き彫りとなり、さらには高齢化率の進展に伴い、医療提供体制の維持が不可欠であることからも地元市及び近隣市の医療機関から相談を受け、熊谷知事に東葛北部医療圏の病床整備を要望しました。
結果として令和4年1月に千葉県保健医療計画の中間見直しにて基準病床数の見直しを行ったところ、一般病床及び療養病床において、千葉、東葛南部及び東葛北部の二次保健医療圏の病床の整備を行うこととし、東葛北部保健医療圏(松戸市・野田市・柏市・流山市・我孫子市)では847床の整備が実現し、我孫子市の病院には50床配分されました。
さらに配分可能病床を東葛南部二次保健医療圏に1,236床、東葛北部二次保健医療圏に 947床とし、すべての応募者に配分されました。
看護師は医療現場において欠かすことのできない重要な役割を担っておりますが、千葉県は人口10万人当たりの就業看護師数が全国で第46位と低く、看護職員の確保が喫緊の課題とされています。看護師の離職率も全国平均を上回っており、県内の医療機関では慢性的な看護師不足が続いています。特に、都市部と地方部では看護職の人数に大きな差があり、会派「千葉新政策議員団」として、看護職員の地域偏在対策を訴えてきました。特に君津保健医療圏においては、全国平均と比べると少なく、看護職員の養成・確保、地域への定着を促進する必要があります。
千葉県の修学資金は月額1万6,000円で、制度がある38都道府県の中で最低の金額です。一方、地域特別貸付けにより、山武長生夷隅、香取海匝の保健医療圏は月額が倍になりますが、君津保健医療圏は人口10万人当たりの看護師数において、山武長生夷隅の次に少ないにもかかわらず、地域特別貸付けの対象外となっていたことから、議会質疑・要望ならびに知事への予算要望にて君津保健医療圏を地域特別貸付けの対象となるよう要望を行いました。結果、令和7年2月定例県議会における熊谷知事の冒頭あいさつにおいて、君津保健医療圏を地域特別貸付けの対象に加えると発表しました。
水野ゆうきの取組状況
●令和3年6月定例県議会会派代表質問
28:00 医療提供体制について(医師・看護職員不足解消策)
●令和5年度当初予算要望:熊谷知事
●令和6年度当初予算要望:熊谷知事
●令和6年9月定例県議会会派代表質問
●令和6年12月定例県議会会派代表質問
1:01:05 看護職員を目指す方への修学資金の地域特別貸付
●令和7年度当初予算要望:熊谷知事
●令和7年2月定例県議会代表質問
千葉県の取組
●看護師等養成所運営費補助事業
自治体の施設を除く看護師等養成所の定員・事務職員、授業用教材等の経費、実習施設に対する謝金等の経費を補助。
●保健師等修学資金貸付事業
看護学生の県内就業を促進するため、県内外の看護師等学校養成所に在学し、卒業後、県内で看護業務に従事する学生に修学資金を貸し付け。
●看護学生実習病院確保事業
看護学生が実習を行った病院に就業する傾向が高いことを踏まえ、県内の看護師等学校養成所から新たに実習生を受け入れる又は受入れ数を拡大する病院 に対して、受入れに要する経費の一部を補助。
●病院内保育所運営費補助事業
医療従事者の子育てを支援し、定着を促進するため、自治体を除く病院内に設置された保育施設の運営費を補助。
●ナースセンター事業
未就業の看護職員に対する就業相談や求人情報の提供、就労あっせん、再就業に向けた講習会の実施等の復職支援。中高生へのふれあい看護体験や進路相談を実施等の普及啓発の実施。
●看護師特定行為研修等支援事業
在宅医療の推進等のため、医師の判断を待たずに点滴や人工呼吸器の調整等を行える看護師を養成する医療機関等に対し研修費用を補助。
