指定廃棄物問題

手賀沼終末処理場

課題と経緯

我孫子市と印西市にまたがる県施設の手賀沼流域下水処理場で保管している流域7市からの汚泥処理から発生した指定廃棄物が未だに保管されている状況です。国は県内に長期管理施設を設置し、1カ所集約処理をするとしており、54市町村長会議を経て確定した選定手法に基づき、最終的な長期管理施設の詳細調査候補地1カ所を提示することと決まり、国はその候補地として千葉市中央区の東京電力千葉火力発電所を提示いたしました。

しかし、千葉市は受け入れを拒否しており、いまだに膠着状態が続いており、長期管理施設の詳細調査候補地が国から示されてから、これまで具体的な進展は見られない状況です。

当初、手賀沼終末処理場には下水汚泥焼却灰の指定廃棄物が542トン保管されており、このうち平成29年2月定例千葉県議会の水野ゆうきの一般質問時点では、仮設倉庫に370トン、建屋内に172トンが保管されている状況でした。指定廃棄物の適切な管理と建屋内への全面移設については私も我孫子市議会において、水野ゆうきも放射能対策特別委員会の委員でしたので、実際に保管状況等を視察もしてきており、市議会として安全対策の充実等を県に要望してきました。

県議会における水野ゆうきの質疑において、全面移設との答弁を得られました。しかし、国の積極的な動きが見られず、根本的な解決には至っておりません。

東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故から10年が既に経過しておりますが、依然、松戸市、柏市、流山市、我孫子市、印西市では、住宅地に近接した場所に8,000ベクレル/kgを超える指定廃棄物が一時保管され続け、地元地域の大きな不安要素となっており、毎年のように関係5市の市長が環境省に赴き、要望活動を行っています。

水野ゆうきの活動

2017年2月定例千葉県議会一般質問で質問・移設に向け前進!

水野質問:県が仮設倉庫に保管している下水汚泥焼却灰の指定廃棄物について、流域関連7市からの要望を受け、建屋内への移設を行うと聞いているが、その状況は?

県答弁:これまで国のガイドラインを超える措置を講じてきたが、保管自治体の要望を受け、建屋内に移設する業務を12月に発注した。
今年度は仮設倉庫に保管している約370トンの約半数の190トンを建屋内に移設し、残り180トンも来年度すみやかに移設する。

昨今の異常気象等からも、手賀沼流域下水道事業連絡協議会はじめ、我孫子市・市議会から仮設倉庫に保管されている下水汚泥焼却灰370トンを建屋内に移設するよう要望が出ていることから、千葉県に対し、保管自治体の要望に寄り添うように要望し、移設することを確約する答弁を得ました。

2017年6月定例千葉県議会一般質問で質問~具体的スケジュール提示し、2017年9月末に移設完了へ!~

2017年2月定例千葉県議会一般質問における質問を踏まえ、6月定例千葉県議会一般質問にて移設のスケジュール等を確認し、本年9月末までに建屋内への移設が完了する見込み、という答弁を得ました。

水野質問:手賀沼終末処理場内に一時保管されている下水汚泥焼却灰の建屋内への移設について、現在の状況と今後の予定はどのようになっているか。

県答弁:県では指定廃棄物である1キロあたり8,000ベクレルを超える下水汚泥焼却灰約542トンを、国のガイドラインに従い適切に一時保管し、さらに安全面を考慮して保管容器の密閉化、二重化などの措置を講じてきた。

平成28年度に地元からの要望を受け、仮設倉庫内の焼却灰約370トンのうち、約186トンを建屋内へ移設した。残り約184トンの焼却灰については、今年度5月に業務委託契約を結んだことにより本年9月末までに建屋内への移設が完了する見込みとなった。

移設が完了すれば、焼却灰の建屋内への移設が全量完了することとなり、今後も国の長期管理施設が設置されるまでの間、適切に一時保管していく。

2022年6月定例千葉県議会代表質問~県として国へ要望を!~

水野質問:指定廃棄物問題について伺います。本年3月29日に、松戸市、柏市、流山市、我孫子市、印西市の5市の市長と地元国会議員が環境省に10回目の要望を行ったことを踏まえ、質問をいたします。

現在、県内の保管量は約3,716.6トンとなっています。指定廃棄物の処理については、平成23年11月11日に閣議決定されました放射性物質汚染対処特措法に基づく基本方針において、当該指定廃棄物が排出された都道府県内において行うこととしており、県内1か所に集約することが適切であるとの考えが示されております。

2022年6月定例県議会にて代表質問に登壇する水野ゆうき

このような状況の中、福島第一原発事故から11年が既に経過しておりますが、依然、5市では住宅地に隣接した場所に8,000ベクレルを超える指定廃棄物が一時保管され続けています。

また、平成27年4月には、国から千葉県内の長期管理施設の詳細調査候補地が示されたものの、その後、進展はなく、各市では指定廃棄物の一時保管の解消への道筋を見通せないことが市政の課題となっております。関係5市においては、指定廃棄物の最終処分場の確保について、平成25年からほぼ毎年のように首長が環境省に赴き、指定廃棄物の長期管理施設を一刻も早く確保するよう要望活動を行っている中で、5市と国の膠着状態が続いている現状を打破するために、広域自治体である千葉県としての今後の対応について伺います。

一時保管されている指定廃棄物について、今後どのように対応しようとしているのか。

熊谷知事答弁:指定廃棄物の処理に関する御質問ですが、指定廃棄物は放射性物質汚染対処特別措置法に基づき、国の責任において処理することとされており、県内の指定廃棄物が安全・安心に処理されるためには、長期管理施設の設置などの様々な課題に国が責任を持って対応していくことが不可欠であると考えます。本県の指定廃棄物については、国が1か所での集約処理の方針を決定し、責任を持って地元の理解を得る努力を続けていくとしていることから、県としても国に問題解決にしっかり取り組んでいただくよう求めていくとともに、できる限りの協力を行ってまいります。

水野要望:指定廃棄物についてで、環境省のホームページ、放射性物質汚染廃棄物処理情報サイトを見てみますと、千葉県における取組は平成27年時点で止まっており、一切の進展が見られていない状況です。県としても、しっかりと国に求めていただきたい。

また同時に、各市で保管している指定廃棄物は、年月とともに放射能濃度が減衰していくわけですけれども、8,000ベクレル以下となったとしても、処分先の確保が困難であったり、それからまた業者の自主規制で指定解除となっても処分が進捗しないこともあると伺っております。令和5年度の国の施策に対する重点要望にも入れていただいておりますが、放射性物質濃度が8,000ベクレル以下の廃棄物の処理も含めて、一時保管している各自治体への支援を行っていただきたい。